歳入の調定と調定額の通知|公務員の金銭会計

歳入の調定と調定額の通知|公務員の金銭会計

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歳入の調定と調定額の通知|公務員の金銭会計

1 歳入の調定について

(1) 調定の意義及びその手続の概要

@ 歳入の収納の前提
歳入の収納(※)を行うには、その前提として、必ず法令若しくは条例(以下「法令等」といいます。)又は契約その他の行為に基づいて合法的に発生した権利がなければなりません。
従って、地方公共団体が収入すべき原因となる契約その他の行為は、法令等に従ってなされたものであることが必要となります。
このことから命令機関の長である市長及び出納機関の長である会計管理者は、正当な原因のない収入は、これを収納することはできません。
※ 収納とは、原則としてAの調定の手続をし、及び納入の通知をした普通地方公共団体の収入を受け入れる行為をいいます。

 

A 調定の手続(地方自治法第二百三十一条若しくは地方自治法施行令第百五十四条第一項)
「調定」とは、歳入徴収者が、その発生した権利内容を調査し、具体的に法規等の根拠、所属年度、歳入科目、納入すべき金額、納付義務者等を具体的に明確にし、内部的意思決定行為により決定すること(※2)をいいます。
※ この決定は、通常会計規則等の規定により、歳入徴収者が調定をし、その内容を歳入徴収者が収支命令者をして、財務会計システム等により、調定決定書を起票し、調定額を会計管理者に電子的通知することにより行います。また、調定額の通知(収入通知を含みます。)は、会計規則等の規定により当該起票により、電子的に会計管理者に通知されます。

 

B 調定の時期
ア 通常の調定(事前の調定)
通常の調定は、下の図のように、その性質上、納入の通知の前に、又は少なくともその収入の収納前までに財務会計システム等で調定決定書を起票し、及び歳入徴収者の決裁を執る事により行われる必要があります。つまり、事前の調定が原則となります。
ただし、なんらかの事情により事前の調定が出来なかった場合は、イの事後調定の例により調定します。
※ 通常の調定は、事前に調定決定書を起票し、会計規則等の規定により、納入通知を送付します。その後、納付義務者が納付金を公金取扱金融機関又は金銭出納員に納付します。

 

イ 例外の調定(事後調定)
調定の例外として、会計規則等の規定により納入の通知によらず納入された収入(※)や元本債権に係る延滞金(※2)の収入に係る調定があります。これらは、その性質上、事前に調定することが不可能なものであり、納入済通知書その他の関係書類に基づいて、調定をすることができます(※3)。また、アの例により、事前の調定によるべきものについて、事前の調定が漏れていた場合などもこれに準じて取り扱います。
これらの場合、収納金を収入した段階で調定行為が同時に(元本債権に係る延滞金の場合は、元本債権の調定日に)行われたとみなします。調定決定書の決裁は、収入の後になる(※4)ため、便宜上これらを「事後調定」(※5)と呼んでいます。
※ 諸証明手数料等調定する暇なく、その場収納する収入がこれに当たります。

 

※2 ここでいう「元本債権」とは、延滞金債権を生み出す元本の債権をいい、地方自治法第二百三十一条の三第一項の規定により督促した公債権をいいます。また、「元本債権に係る延滞金」とは、同項の公債権を納付期限までに納付がないときに、長が期限を指定して督促した場合に、条例の定めるところにより徴収することができる延滞金をいいます。具体的には市民税等の延滞金をいいます。

 

※3 「できる規定」であるのは、頻繁に収入がある事務の軽減や事前に調定が不可能な場合の便宜上の措置として、事後調定を可能としているためで、これらの理由に該当しない場合は、事後調定とせず、その都度収支命令者をして調定決定書を起票し、決裁を受け、会計管理者に調定額等を通知してください。

 

※4 規則等で「当該意思決定と同時に行政文書を作成することが困難であるときは、事後に行政文書を作成するものとする。」などと規定されていれば、それを根拠に、事後調定を、一定の歳入について事前に歳入徴収者から事後調定の許可を包括的にあらかじめ指示を受け、納付金の納付時に金銭出納員が個別にその場で調定を行い、事後に行政文書の作成として、調定決定書の起票及び決裁を行うこととなります。

 

※5 「事後調定」であっても、新規の調定の期限は、その会計年度の末日まで(※6)となります。ただし、事後調定を含め、事実上の調定を会計年度の末日までに行ったものについては、会計規則等の規定により、その収入月の分の収入をまとめ、翌月5日までに通知することができます。この日付については、休日の状況により、起票の時間を十分に確保できない場合もあることから会計室出納係では、弾力的にこの期限を定めています。

 

事後調定の場合(納付金を収入するときに、その場で事実上の調定を行い(※)、その後事後に調定決定書を起票し、決裁を受けます。)

市役所窓口

 

事後の調定

@納付義務者  →  金銭出納員(納付金を支払う)
A納付義務者  ←  金銭出納員(領収書を交付する)
※その場で調定されたものとみなす

B調定決定書を起票

※ 元本債権に係る延滞金の納付の場合は、元本債権の調定の際に、既に調定されたものとみなします。

 

ウ 例外の調定(分割収入の調定)
ア及びイ以外の調定に、会計規則等の規定による、法規又は契約等により分割収入をするものに関する調定があります。
このような調定の場合、当初から分割収入が決まっている納付金の収入の調定は、その納付期限(※)が到来するごと(※2)に、分割納付する金額分の調定をし、その調定決定書を起票し、納入通知書を送付又は手交等(以下「送付等」といいます。)するものとします。また、法規又は契約等により、年額又は数回分の納入通知書を同時に送付する必要がある場合は、その送付時期が到来するごとに、納入通知書の金額分を調定し、その調定決定書を起票するものとします。いずれの場合も、調定決定書を起票するごとに、その調定額決定書の起票金額に相当する金額分の納入通知書を送付等します。
この外、地方自治法施行令第百七十一条の六の規定により、調定後納入通知書の送付前までに分割納付をさせることとしたときは、その条件に応じ、調定決定書を修正等することとし、それに応じた納入通知書を送付等します。
また、納入通知書の送付後に分割納付をさせることとしたときは、送付済みの納入通知書の金額分は、調定修正等せず(※3)、適宜合意に応じて分割した納付書を送付し、未送付の金額分は、その条件に応じ、調定決定書を修正等し、それに応じ、納入通知書を送付等します(※5)。
※ 規定により納付期限、納期限、納入期限等という表現がありますが、全て概ね同様の意味を持ちます。説明内容により、その表現をしなければならない特別な事情が無い限り、「納付期限」という表現に統一して表記します。

 

※2 「その納付期限が到来するごと」の目安は、会計規則等の規定では、「歳入を収入しようとするときに、調定をし、納入通知を送付すること」とされていることから、少なくとも納付期限より前であるべきと考えられます。

 

※3 この解説に関わらず、適法な理由があれば調定を変更し、又は取消すこと自体は否定されません。ただし、調定を取り消す場合は、次の問題が生ずることにも十分注意が必要です。また、一般に調定は事実行為ともいわれ、取消し(撤回を含みます。以下この※3において同じです。)に制限はありません。しかし、次のAのように処分性を持つ納入の通知は、一般にその取消しに制限(※4)があります。
@ 地方自治法第二百三十六条第四項の規定による、納入の通知の時効の中断の効果が最初の通知に限られるため、再度の通知には時効の中断の効果がないこと。
A 「納入通知処分」(納付義務が生ずる処分をいいます。)の効果を持つ納入の通知は、その納付義務自体が取り消されてしまうため、新たに処分されるまでは、相手方に納付義務が生ずることはないこと。

 

※4 取消し・撤回の制限
制限のある納入の通知に係る調定を取消し、又は撤回しようとするときは、取消し・撤回することにより守ろうとする利益と、これによって影響を受ける相手方等(納付義務者及びその関係者をいいます。)の不利益を、比較衡量して判断する必要があります。このため、常に取消し・撤回できるとは限りません。そのため、取消し、又は撤回する場合は、その影響を十分に検討して実施してください。
※5 【参考】「地方財務実務提要」(株式会社ぎょうせい)の「第1巻−4章−二節「分割して収入するものの調定手続」」「答(2)ア」参照
「納入通知書を送付後に、地方自治法施行令第百七十一条の六の規定により分割納付をさせることに決定した場合は、調定決定書の修正起票は行わず、既に送付した納入通知書を回収等し、分割した納付書をその納付期限に応じ適宜分割することとします。」

 

(2) 調定の内容(地方自治法第二百三十一条及び地方自治法施行令第百五十四条)

調定を行う場合、次の事項について調査し、確認をする必要があります。この調査の結果、誤りがなければ、収入すべきものと決定します。調定とは、この調査から決定までの一連の手続をいいます。
@ 歳入が法令等又は契約等に違反していないかどうか。
A 歳入の所属年度は誤っていないかどうか。
B 会計及び歳入科目は誤っていないかどうか。
C 納入すべき金額は、法令、契約等に照らし、その算定を誤っていないかどうか。
D 納付義務者は、法令、契約等に照らし、適正な者であるかどうか。
E 納付期限は、法令、契約等に照らし、適正であるかどうか。
F 納付場所は 法令、契約等に照らし、適正であるかどうか。

 

(3) 調定決定書に記載すべき事項

調定決定書に記載すべき事項は、次に掲げるとおりです。また、調定決定書の件名は、調定の内容が簡潔に判断できるものとし、出来る限り個人情報は含めないものとします。
また、複数の内容について調定決定書を起票する場合は、適宜「外○件」、「別紙のとおり。」などとして工夫してください。
@ 収入の内容
収入の内容を具体的に記載します。

例 普通財産の貸付料(○○市○○町○丁目○―○番地)

 

A 収入の根拠
収入の根拠を具体的に記載します。

例 ○○契約書第○条第○項の規定による賃借料(令和○年○月○日締結)

 

B 調定された金額

 

C 調定された金額の算定の基礎

例 ○円(○○契約書第○条第○項により決められた1月分の賃借料)×2か月=○円

 

D 収入科目及びその年度
会計年度、会計及びその予算科目(款、項、目及び節)を記載します。

例 令和○年度 一般会計 諸収入−雑入−雑入−雑入

 

E 納付義務者の住所(又は所在地等)及び氏名(又は法人名等)

 

F 納入の方法及びその場所
基本は、納入通知書による納付とするだけで、公金取扱金融機関又は金銭出納員の所在地で納付することが判るため、「納入通知書(納付書)による納付」とする。ただし、具体的な方法が定められていれば、その内容

例 納入通知書による納付

 

G 納付期限
調定の日から20日以内の日又は個別法に定められた日を記載

例 ○月○日

 

H 会計処理の方法
調定に必要な会計処理の根拠規定を記載。通常は、例にあるとおり、会計規則○条の規定による調定、同規則第○条の規定による調定額の通知(収入通知を含みます。)、同規則第○条の規定による納入通知書の送付などを記載します。

例 ○○市会計事務規則第○条、第○条及び第○条に基づく調定等及び納入通知書の送付

 

I その他必要な事項
その他調定に必要な事項を記載します。

 

2 会計管理者に対する調定額の通知について

(1) 財務会計システム等による電子的通知について

@ 直ちに通知をする場合の電子的通知について
歳入徴収者は、歳入の調定をしたときは、収支命令者をして、財務会計システムにより会計管理者に調定額の通知及び収入通知(以下「調定額等通知」といいます。)を直ちに(※)通知させなければなりません。
この通知は、財務会計システムに入力し、調定決定書を起票することにより、自動的に会計管理者へ通知されます。このことから、調定決定書を起票した現在日(調定決定書を起票した日をいいます。以下同じです。)に電子的に調定額等通知がされることとなります。また、仮に「直ちに」調定額等通知ができず、遅れて調定決定書を起票した場合も、その現在日に電子的通知がされることとなります。
なお、電子的通知がされることがら調定額等通知のために、調定決定書を会計室に送付する必要はありません。起票後、決裁を執り、決裁済みの当該調定決定書は、起票した収支命令者が適切に保管してください。
※ 「直ちに」とは、理由の如何を問わず直ぐにという意味です。この「直ちに」通知させる理由は、会計規則等の規定により毎月市長及び監査委員に、それぞれ市の調定や収入の状況等を報告し、かつ、地方自治法第二百三十三条の規定により決算を調製するため、できるだけ早めに調定額を把握し、かつ、整理するために必要であるからです。

 

A 事後調定等をする場合の電子的通知について(毎月分を取りまとめ通知させる場合)
事後調定は、毎回調定決定書を起票せず、その月の分を取りまとめて調定額の通知期限までに調定決定書を起票することができるため、これらに伴い、その月の分を取りまとめて調定額等通知を通知します。

 

(2) 通知期限について

会計規則等の規定により、歳入の調定をしたときは、直ちに通知するものとなります。また、毎月分をまとめて調定額等通知を通知する場合の期限(以下「通知期限」といいます。)は、原則翌月5日までです。
これらの通知は、調定決定書を起票すると自動的に電子的通知がされます。なお、通知期限は、その日が休日に当たる場合など5日以外の日付となる場合もあります。この正確な期限は、毎年会計室が周知するのが通例です。

 

3 調定の取消し・更正について

法令等の解釈若しくは適用の誤り又は計算間違いなどといった理由により、調定の内容を修正し、又は変更する必要が生ずる場合、歳入徴収者は、収支命令者をして、その調定決定書を取消し、又は更正を行い、会計管理者に調定額等通知を通知しなければなりません。

 

(1) 調定決定書及び調定額等通知について

@ 会計、年度、明細区分、科目、納入義務者(郵便番号及び住所を含みます。)若しくは調定額の金額のいずれかを誤り又は調定そのものを行う必要がなかったといった場合は、財務会計システム等により、その調定決定書を取消します。これにより調定額等通知も電子的通知により取消しされることとなります。
この後、正しい内容の調定は、新たに調定決定書を起票し、併せて電子的通知により新たな調定額等通知を通知することとなります。
※ 納入通知又は納付書を出力し漏れたといった場合は、通常財務会計システム等で「納付書(単独)」で出力することが可能であるため、調定決定書を取消すまでは、必要はありません。
A @以外の誤りがあった場合は、財務会計システムにより、当該調定決定書を訂正する入力をします(※)。これにより調定額等通知も電子的通知により訂正の通知がされることとなります。

 

B 当初の調定決定書を起票した日以後、法改正その他の理由により調定額の算出根拠等に変更が生ずるなどの理由により、調定額の金額に変更が生ずる場合は、当初の調定決定書の起票に誤りがないことから、既に起票済みの調定決定書を取り消す必要はありません。
その代わり、現在日で新たに調定決定書を起票し、その理由に応じ、当該調定額の金額の増額(以下「増額調定」といいます。以下同じです。)又は減額(以下「減額調定」といいます。以下同じです。)を行います。
なお、減額調定を行う場合は、金額の項目に、入力する調定額の前に−(マイナスをいいます。)を入力します。また、これにより作成された調定決定書の−は、△で表示されます。
この場合、調定決定書の件名は、「○○法改正に伴う増額調定(減額調定)」や「○○の算定額の更正に伴う増額調定(減額調定)」などとし、先行の調定決定書と、後続の調定決定書が結びつき、又は区別が付くようにしてください。

 

(2) 過誤納金について

(1)では、調定決定書を修正し、又は変更する場合を解説しました。しかしながら、現実の事務では、調定の内容を修正し、又は変更することとした結果、既に納入義務者から正当に納付すべき金額を超えて収入(以下「過納金」といいます。)し、又は、錯誤等その他の理由により正当な納入義務者でないものから収入(以下「誤納金」といいます。)している場合も多く見られます。

 

@ 過誤納金の取扱いに係る法規
ア 過誤納金の戻出の根拠
過納金及び誤納金(以下「過誤納金」といいます。)は、「支出」の手続の例により、収入した歳入から戻出することとなります(地方自治法施行令第百六十五条の七)。
しかしながら、過誤納金が発見された日が、その過誤納金を収入した会計年度の出納整理期間を経過している日であった場合は、新会計年度の歳出予算から支出することとなります。この場合、歳出予算のどの科目から支出することになるかは、財政課との協議により決定します(地方自治法施行令第百六十五条の八)。

 

イ 会計管理者への電子的通知
過誤納金が発生した場合は、調定に係る過誤納金であれば、減額調定をした際に、会計管理者に、電子的通知により、調定額等の通知がされます。このほか、会計規則等の規定により、歳入徴収者は、収支命令者をして、財務会計システムにより過誤納額登録書を起票し、その過誤納金の額を電子的通知により会計管理者に通知することとなります。

 

A 過誤納金に係る市の事務処理
収入した日が属する会計年度の出納整理期間中までにその過誤納金を還付(以下「歳入還付」といいます。)する場合、通常の会計規則等では、次の書類を作成し、それぞれ決裁を執る必要があります。
また、歳入還付命令書(財務会計システムにより起票する「支出命令書(歳入還付)」をいいます。以下同じです。)にはその請求書を、過誤納額登録書にはその根拠資料をそれぞれ添付し、併せて審査係に回付する必要があります(※)。ただし、収入した日が属する会計年度の出納整理期間を超えてその過誤納金を還付する場合は、過年度支出の例により、支出命令書によって還付します。
この外、使用料の収支などのように、振替整理により発生した過誤納の場合は、過誤納額登録書及び支出命令書(歳入還付)の起票を行わず、振替整理により直接処理します。
ア 還付決定原議 (文書管理システムにより起案します。※)
イ 過誤納額登録書 (財務会計システムにより起票します。※2)
ウ 支出命令書(歳入還付)(財務会計システムにより起票します。)
エ 調定決定書(減額調定)(財務会計システムにより作成します。)

 

※ 還付決定原議は、文書管理システムによる決裁をもって、過誤納金が発生した理由やその根拠、その金額などを示し、市の意思決定として還付することを決定権者の決定を求めることをいいます。
※2 過誤納額登録書に登録された金額を上限に支出命令書(歳入還付)を起票することができるようになっています

 

B その他過誤納金に係る注意
行政実例(※)にあるとおり、公債権に過誤納金が発生する場合は、地方自治法第二百三十一条の三第四項の規定による地方税の例(※2)により、還付及び充当の際に、還付加算金を支払うことがあります。
また、公債権以外、つまり、私債権であっても、民法等に規定される利息、損害賠償などを請求されることもあり得えます。
これらのことを踏まえ、不用意に不要な過誤納金が発生しないよう、十分注意して事務を進めてください。

 

※ 行政実例(昭和 38 年 12 月 19 日自治丁行発第 93 号)
問 (地方自治)法第二百三十一条の三第一項の歳入を還付する場合は、同条第四項の規定により当然地方税法第十七条の四の規定の例によつて計算した金額を加算しなければならないと思うがどうか。
答 お見込のとおり。
※2 迅速な還付(地方税法第十七条)、過誤納金の充当(同法第十七条の二)、地方税の予納額の還付の特例(同法第十七条の三)及び還付加算金(同法第十七条の四)
なお、具体的な還付加算金の計算は次のとおりです。
還付金 × 利率 × 日数 ÷ 365 日 ≒ 還付加算金

 

ア 還付金
還付金の金額のうち、千円未満の部分の額は切り捨てし、又、それらの額が二千円未満となる場合は、ゼロ円とします(「地方団体の徴収金の端数計算について」(昭和 38 年 10 月1日付 38 税第 628 号総務部長)第4項第2号参照)。

 

イ 利率
【平成 26 年1月1日以後】
国内銀行の貸し出し約定平均金利(新規・短期)の前々年 10 月から前年9月までにおける平均金利として財務大臣が告示する割合に、年1%を加算した割合
<参考>R1・H30 年 1.6%、H29 年 1.7%、H28 年 1.8%、H27・H26 年 1.9%

 

【平成 25 年 12 月 31 日まで】
各年の前年の 11 月 30 日を経過するときにおける商業手形の基準割引率(従来の公定歩合)に年、4%の割合を加算した割合
<参考>H25・H24・H23・H22 年 4.3%

 

ウ 日数
納付日(当該納付日が納期限前であれば納期限の日)の翌日から起算して1か月を経過する日から加算日数を算定(税の場合はこの限りではない。)。ただし、還付金があることを請求人に通知した場合は、当該通知を発した日の翌日から起算して三十日を経過する日までにその還付金を請求しないときは、その経過する日の翌日から還付の請求があった日までは、この期間に含めない。

 

エ 還付加算金
計算式によって求められた金額のうち、100 円未満の端数は切り捨てし、確定金額とする。当該確定金額が千円未満である場合は、還付加算金はゼロ円とする。

 

4 起票日の遡りと取消しに係る起票日の遡りの限度について

(1) 遡及限度日の考え方

会計管理者は、毎月その月に属する調定及び収入について、その実績の金額を、翌月に区長及び監査委員に報告をしています(地方自治法第二百三十五条の二第一項)。
このため、当該報告に係る金額の確定後に、その月に遡って調定決定書を起票し、又は前月に起票した調定決定書を取消し等することは、その報告した金額と財務会計システム上の数字に不整合が生ずることとなり、地方公共団体の金銭会計事務の適正な遂行に支障をきたすこととなります。
このことから、会計室では、年度初めに起票日の遡りと取消し係る起票日の遡りの限度日(以下「遡及限度日」といいます。)を定め、財務会計システムに制限をかけ、通知しています。

 

※ 実際の事後調定の通知期限(遡及限度日と同じです。)は、原則調定月の翌月5日となりますが、当該日の休日に当たる場合などは、この通知期限を変更しています。

 

(2) 遡及限度日に係る事務

@ 通常の調定(遡及限度日までの起票)
収入する前に行う調定は、原則現在日(実際に調定決定書を起票した日をいいます。以下同じです。)で調定決定書を起票します。

 

A 事後調定(遡及限度日までの間の起票)
収入した後に行う事後調定は、遡及限度日までの間に、収入月の末日(その日が休日の場合はその前日)付けに遡って調定決定書を起票します。

 

B 遡及限度日を経過した調定
ア 2月までの収入でその遡及限度日を経過し、かつ、3月 31 日までに調定する場合
現在日で調定決定書を起票します。また、先行の調定決定書の取消し、又は訂正に係る調定決定書の起票あっては、その件名は、「・・・の算定額の更正に伴う増額調定(減額調定)」などとし、先行の調定決定書と、後続の調定決定書が結びつき、又は区別がつくようにしてください。
イ 3月までの収入でその遡及限度日を経過し、かつ、出納整理期間内に調定する場合
現在日で調定決定書を起票し、文書管理システムで電子決裁を受けます。このときの回議ルートは、新年度の回議ルートで受けます。

 

事例 文書管理システムの起案日
旧会計年度中に起票した調定決定書の金額の誤り等に係る金額の増額調定又は減額調定(※) 現在日(ただし、出納閉鎖期日まで)(※2)
旧会計年度中に事実上の調定を行っていたが、財務会計システムによる調定決定書の起票の忘失等に係る調定 現在日(ただし、出納閉鎖期日まで)(※3)
旧会計年度中に属する公債権の本債務に係る延滞金等を新たに収入したことに伴う調定 現在日(ただし、出納閉鎖期日まで)(※4)
旧会計年度に歳入予算を計上し、かつ、調定根拠たるその決定通知等が出納整理期間中になって通知された場合の地方交付税等の調定 現在日(ただし、出納閉鎖期日まで)

 

※ この調定に係る件名は、「・・・の算定額の更正に伴う増額調定(減額調定)」などとし、先行と後続との調定決定書が結びつき、又は区別がつくようにしてください。
※2 横転者の決裁の不便さから、通常は現在日。ただし、本来(地方財務実務提要第1巻P2689「出納整理期間中に調定額を異動させる場合の日付」参照)の法令解釈上は3月 31日と解されます。いずれも、調定年度に影響はないため本質的な問題は生じません。
※3 決裁伺いには、経緯も併せて記載してください。
※4 地方自治法Q&A(第一法規出版株式会社)
質問「本税に付帯して収納する延滞税等についても、調定の日付は3月 31 日に遡らせて処理する必要があるか?」
回答「延滞金等の付帯収入については、本税の調定と同時に調定されているものと解される。したがつて、設問の調定とは単なる調定の整理行為であると解されるので、その日付は必ずしも年度内である必要はない。すなわち、地方自治法施行令第一四二条第三項の規定は、本収入とこれに付帯して歳入される督促手数料、延滞金および滞納処分費が所属年度を異にすることの不合理をなくすために設けられた特例規定であるが、会計年度経過後において調定することまで許容したものではない。そこで、督促手数料等の付帯収入の調定については、本収入が調定された時点において同時になされたものと観念し処理することになるものと解される。したがつて、出納整理期間中に延滞金等を現実に収納するために行われる調定は、既に本収入と同時になされた調定の整理行為であると解されるので、その日付は年度内である必要はない。」

 

ウ 未調定のまま、その会計年度の出納整理期間を経過した後の調定
本来であれば、その会計年度で調定しなければならないものについて、未調定のまま、遡及限度日を超え、かつ、その出納整理期間を経過した場合は、新会計年度の収入として現在日で調定することとなります。

 

5 出納整理期間中の旧会計年度分の調定事務について

(1) 出納整理期間と整理行為

3月 31 日を経過すると、その会計年度が終了します。その後は、既に経過した前会計年度に属する歳入の調定を新たに行うことはできません。ただし、その出納整理期間中は、調定の整理行為(調定ではないことから調定類似行為ともいいます。)は行うことができます。なお、事後調定は、調定自体は、既に収入時にその場で行われているため、財務会計システムにおける調定決定書を起票するという事実行為であるため、出納整理期間に調定決定書を起票することができます。
しかしながら、事後調定であっても、遡及限度日後は、財務会計システム上、前月の調定ができないことから、現在日で起票することとなります。
文書管理システムは、現在日で起票し、新年度の回議ルートで電子決裁を受けます。文書管理システムの伺い文には、収入の理由など本来の伺い文の外、「〇〇交付決定通知の到達が、新会計年度の(具体的な日付)となったため、旧会計年度歳入としての調定を(起票日)において決裁をするものとします。」等、このタイミングでの決裁となった理由も明記するようにしてください。

 

(2) 調定に係る整理行為とは

出納整理期間中に認められる調定に係る整理行為とは、現金の出納の整理を行う行為をいいます。調定に係る整理は、調定決定書を起票することで行われるため、調定の類似行為とも呼ばれます。

 

(3) 出納整理期間中にできる具体的な行為とは

(1)・(2)で解説しましたが、出納整理期間中にできる行為は、次のとおりです。
@ 現金の出納の整理行為
旧会計年度中に起票した調定決定書の金額の誤り等については、現金の出納整理行為の一環として、増額又は減額の調定決定書の起票を、出納整理期間中にすることができます。
この行為は、財務会計システムによる調定決定書の起票により行いますが、現金の出納の整理行為の一環として行われる調定類似行為と呼ばれます。

 

A 事後調定に係る調定決定書の起票
旧会計年度に属する収入について、遡及限度日までに調定決定書の起票ができなかった場合は、その出納整理期間中に行うことができます。
事後調定は、納付金を収入した時点で、その収入に係る調定をその場で同時に行っているとみなされるため、この起票は、新たな調定ではなく、既に旧会計年度中に調定された内容を財務会計システムで起票するといった事実上の行為に過ぎないことから、出納整理期間中に行うことができます。

 

B 調定決定書の起票忘れに係る調定決定書の起票
旧会計年度に調定を行ったが、調定決定書の起票を忘れていた場合に、その起票を出納整理期間中に行うことができます。
この起票は、新たな調定を行う訳でなく、調定決定書の起票を失念していた場合に、遅れて起票するため、新たな調定を行う訳ではないため、事後調定と同様事実上の行為の一環として、出納整理期間中に行うことができます。

 

C 本債務に係る延滞金等の調定決定書の起票
旧会計年度中に属する公債権の本債務に係る延滞金等(※)を新たに収入したことに伴う調定の調定決定書の起票は、その出納整理期間中にすることができます。
この延滞金等の附帯収入は、本債務の調定と同時に調定されたものと解釈されるため、調定決定書の起票は、事実上の行為であることから、出納整理期間中に行われる現金の出納の整理行為と解釈します。
※ 延滞金等に、私債権に伴う遅延損害金の調定は含みません。遅延損害金に係る調定は、地方自治法施行令第百四十二条第一項第二号の規定により、随時の収入として、納入通知書を発した日の属する会計年度となり、出納整理期間にあっては、その新会計年度の調定となるため、調定に係る整理行為にはなりません

 

(4) 調定に係る整理行為と思われ実務上行われているが、調定の整理行為に当たらないもの

前述の(3)@からBまでのほか、旧会計年度中に歳入予算を計上し、かつ、調定根拠たるその決定通知等が出納整理期間中になって通知された場合の地方交付税等に類する収入等(※)は、普通地方公共団体の運用として、出納整理期間中に旧会計年度の収入として、調定の整理行為(調定決定書の起票類似行為をいいます。)をしています。
しかしながら、多くの人はこの起票を出納整理期間中に係る調定の整理行為であると解釈していると考えますが、厳密な地方自治法上の解釈では、出納整理期間中の整理行為に該当しません(※2)。
このような場合は、本来新会計年度に調定し、収入すべきところではありますが、実際上の運用は、旧会計年度に調定し、当該年度に収入しています。この運用は、普通地方公共団体で広く行われています。
このことについて、第一法規出版株式会社の地方自治法Q&Aでは、「現実の地方公共団体の実務としては、補助金等の現金交付のみならず、交付決定そのものが遅れて年度末を過ぎてから通知があるという事例がままあるため、設問の前段にあるように調定の日付を三月三一日に遡らせて形式上つじつまを合わせるという運用が行われている向きもあるが、これは単に便宜上の措置であるにとどまるものである」としている。
これらの事実を踏まえ、文書管理システムの決裁を出納整理期間に行うのではなく、会計年度中に可能なものについては、可能な限り会計年度中に行うよう心掛けてください。
なお、旧会計年度中に文書管理システムによる決裁ができなかった場合は、決裁の伺い文に、@国から交付決定通知が遅れてされたことA旧会計年度中に申請していたことB旧会計年度分としての収入が予定されるものであったことなどを明確にする必要もあると考えます。
※ 地方交付税、地方譲与税、交付金、負担金、補助金、地方債その他これらに類する収入及び他の会計から繰り入れるべき収入をいいます。
※2 この該当しない根拠は、次に掲げる行政実例によるものです。
行政実例(昭和 38 年 12 月 19 日自治丁行発 93 号)
(地方交付税等に類する収入等を出納整理期間中に旧会計年度の収入とする)
「・・・場合の収入の調定については、予算の属する年度内に完了していなければならないと解されている。」

 

(5) 調定に係る整理行為に含まれないもの

次に掲げるような行為は、出納整理期間中に行う現金の整理に当たらず、整理行為には該当しないため、調定決定書を新たに起票することはできません。
@ 新会計年度等に発生等した未調定の収入に伴う調定決定書の起票
新会計年度中に発生した未調定の収入は、新年会計年度に属する収入となります。また、旧会計年度中に発生し、かつ、新会計年度中に新たに確認された未調定の収入についても、新会計年度に属する収入となります。
このような収入を調定する場合は、新たな調定と判断されるため、出納整理期間中に旧会計年度の収入として、調定し、及び財務会計システムにより調定決定書を新たに起票することはできません((4)の場合を除きます。)。

 

A 旧会計年度に調定決定書を起票したが、納入される見込みがないため調定決定書を取消しし、又は減額調定すること。
地方公共団体の収入は、原則調定をしなければ収入することはできません。また、根拠なく市が自ら収入を拒否し、又はその権利を放棄することができません。このため、出納整理期間であるか否かに関わらず、実際の納入される見込みの有無によって、調定を取消し、又は減額することはできません(地方自治法九十六条第一項第十号・第二百三十一条)。
以上のことから、納入される見込みがないからといって、起票済みの調定決定書を取消しし、又は減額する行為は、出納整理期間中に行う現金の整理に該当しないどころか、住民監査請求の対象となりえます。これは、地方自治法第二百四十二条第一項の規定による「違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収・・・を怠る・・」と判断される可能性のある重大な違法行為に当たる可能性があることをいいます。
このため、一度調定をした収入は、実際に収入され、又は次に掲げるアの取扱いによる欠損とならない限り、無くなることはなく、会計年度の経過などにより、イの取扱いによる繰越しを継続し続けます。

 

ア 歳入不納欠損の取扱い
調定済みの収入のうち、時効の完成その他の理由により徴収不能となったものは、その根拠により、議会の議決、法規及び普通地方公共団体における条例、規則等の規定などを根拠に欠損することとなります。
また、必要な欠損の手続を経た後は、会計規則等の規定により財務会計システムにより、その歳入不納欠損額を直ちに会計管理者に通知しなければなりません。この通知は、財務会計システムにより歳入不納欠損額決定書を起票することにより、電子的に会計管理者に通知されます。
この歳入不納欠損は、別途詳しく解説します。

 

イ 収入未済の繰越しの取扱い
調定済の収入のうち、その年度の出納閉鎖期日までに収入されないものを収入未済といいます。この収入未済の額は、出納閉鎖期日により確定するため、出納整理期間中には何もしません。
なお、市では収入未済が発生した場合は、その額について、出納閉鎖期日の翌日以降、6月 10 日までに財務会計システムにより収入未済額の繰越しを会計管理者に電子的に通知しなければならないとされています。これは決算書として調製する必要があるために行っています。
また、その額が翌年度以後も収入未済となってしまった場合にあっては、この例により、後続の年度に収入未済の額の繰越しをしていくこととなります。

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