繰替払とは|地方自治法の繰り替え払いを分かりやすく解説

繰替払とは|地方自治法の繰り替え払いを分かりやすく解説

繰替払とは|地方自治法の繰り替え払いを分かりやすく解説

 

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繰替払の意義

経費について、本来収入すべき収入金は、その契約等の額に応じ歳入予算へ受け入れ、又、本来支払うべき支出金は、その契約等の額に応じ歳出予算から支払うことを原則とします。
繰替払」は、本来その収入と支出とを別々に行うべきところを、一時的にその収入金を支出金に繰替える支出の特例としての支払方法です。

 

また、総計予算主義の原則に従い、繰替え後は、その収入金の全てを帳簿上歳入し、又、その支出金の全てを帳簿上支出するものとします。
また繰替払はどんな経費の支払いでもできる訳ではなく、後述する「繰替払が出来る例」に限られます。

 

なお、支出命令書の起票は、事前にその収入金に係る金銭出納員が作成した繰越使用計算書を提出させ、それを踏まえ、繰替使用額を把握します。
その後、本来支出すべきものについては、その契約等の形式に応じ、「支出事務の手引き」のとおり全額を支出します。
本来収入すべきものについては、金銭出納員がその全額を調定(※)し、その調定に応じた納入通知書(※2)を支出命令書に添付し、一部を歳入し、残額を債権者へ支払います(地方自治法第二百三十二条の五、地方自治法施行令第百六十四条)。

 

※ この調定に係る調定決定書には、通常の記載事項のほか、繰替払による収入手続であることも記載します。
※2 この納入通知書の納付義務者は、当該金銭出納員となります。また、この領収書は、係る調定決定書に添付して保管します。

 

【自治令】(繰替払)
第164条 次の各号に掲げる経費については、会計管理者又は指定金融機関、指定代理金融機関、収納代理金融機関、収納事務取扱金融機関をしてその収納に係る当該各号に掲げる現金を繰り替えて使用させることができる。
一 地方税の報奨金 当該地方税の収入金
二 競輪、競馬等の開催地において支払う報償金、勝者、勝馬等の的中投票券の払戻金及び投票券の買戻金 当該競輪競馬等の投票券の発売代金
三 証紙取扱手数料 当該証紙の売りさばき代金
四 歳入の徴収又は収納の委託手数料 当該委託により徴収又は収納した収入金
五 前各号に掲げるもののほか、経費の性質上繰り替えて使用しなければ事務の取扱いに支障を及ぼすような経費で普通地方公共団体の規則で定めるもの 当該普通地方公共団体の規則で定める収入金

 

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繰替払が出来る例

繰替払が認められる経費は、会計規則上は、次に掲げられる収入金等に限られます。
なお、生活保護費、保護施設事務費、行旅死亡人の救護費等の繰替支弁金は、繰替払ではなく、通常の歳入歳出の手続により収入し、及び支出するものと解されます。

 

@ 地方税の報奨金 当該地方税の収入金
A 競輪、競馬等の開催地において支払う報償金、勝者、勝馬等の的中投票券の払戻金及び投票券の買戻金 当該競輪、競馬等の投票券の発売代金
B 証紙取扱手数料 当該証紙の売りさばき代金
C 歳入の徴収又は収納の委託手数料 当該委託により徴収又は収納した収入金(※)

 

 実例として、次のようなものがあります。
ア 民間事業者に廃棄物処理手数料(有料ごみ処理券などをいいます。)の徴収委託に係る、収入金と徴収委託料との繰替払
イ 証明書のコンビニ交付の証明書手数料の徴収委託に係る、収入金と徴収委託料との繰替払

 

※2 地方自治法施行令第百六十四条第四号では、「経費の性質上繰り替えて使用しなければ事務の取扱いに支障を及ぼすような経費で普通地方公共団体の規則で定めるもの」との規定があります

 

 

公務員が良使う支払方法の違い

公務員が実務上よく使う支払方法の違いは簡単にまとめると以下の通りになります。
@資金前渡・・・・・債権者と債務金額がともに未確定か、いずれかが未確定の場合
A概算払・・・・・債務金額未確定で支払期前払いの場合
B前金払・・・・・債務金額が確定し、支払期前払いの場合
C繰替払・・・・・歳入予算からの支払
D送金払・・・・・間接払の場合
E口座振替・・・・・間接払の場合(一般的な支払方法となっていますが、法上では特例です)
F支出事務の委託・・・・・間接払の場合

 

 

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