支払督促の流れとメリット・デメリットとは|自治体の債権管理

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支払督促の流れとメリット・デメリットとは|自治体の債権管理

1 意義

 

債権者の一方的な申立てに基づきその主張の真否について、実質的な審理をせず書類の審査だけで、簡易裁判所の書記官が支払督促を発する手続きである。

 

支払督促は、債務名義を簡易に入手するための手続きと位置づけられる。

 

2 特徴

 

支払督促のメリットとして次の点があげられる。

 

@)請求金額の制限がない。

 

A)裁判所に出頭する必要がなく、簡易・迅速・安価に債務名義を取得することができる。

 

逆に、デメリットとして次の点があげられる。

 

@)金銭の支払い、代替物・有価証券の給付請求に限られる。

 

A)公示送達によることはできないので、居所不明の債務者に対しては申立てができない。

 

B)管轄が債務者の住所地等の簡易裁判所に限られる。

 

3 支払督促を選択すべき場面

 

債務者が督促異議を述べると、支払督促は失効するので、債務者との間で債権の存否について争いがある場合や、債権額が大きく債務者の心理上、異議が出される可能性が高い場合にはこの手続きを使うべきではない。

 

債権の存否に争いがなく、かつ、債権額が多額でない場合には、簡易・迅速・安価に債務名義を取得することができるこの手続きを選択すべきである。但し、債務者の住所が遠隔地にある場合は選択すべきではない(民訴法395条参照)。

 

なお、債務者が督促異議を述べないことについて確信が持てない場合でもこの手続きを避けるべきでない。仮に督促異議が出され、通常訴訟に移行したとしても、客観的に債権の存在が明らかであれば、すぐに和解の話になり、債務者を話合いの場につかせるという効果があるからである。

 

4 手続きの概要

 

(1)申立て

 

a)申立書(正本1通)

 

支払督促申立ては、「支払督促申立書」を提出して行う。記載事項は次のとおりである。

 

@)債権者、債務者及び代理人の表示

 

A)請求の趣旨及び原因(契約内容)

 

実際上は、「支払督促申立書」本文に、「当事者目録」、「請求の趣旨及び原因」を綴じ込み一体として作成する。

 

b)添付書類

 

@)代理人指定書

 

A)資格証明書(債務者が法人の場合、代表者事項証明書や商業登記簿謄本などの全部事項証明書)

 

B)「当事者目録」と「請求の趣旨及び原因」の余部

 

通数は、各書類について債務者数+1部。例えば、債務者が1名であれば写しは2部必要。

 

なお、裁判所により、必要部数が異なる場合がある。

 

c)申立費用

 

@)印紙

 

請求金額に応じた収入印紙、訴訟の場合の半額。

 

A)郵便切手

 

郵便切手の額・内訳は各裁判所により異なる。

 

d)管轄

 

債務者の住所、居所、営業所又は事務所を管轄する簡易裁判所の書記官(民訴法383条)。

 

(2)申立て後の手続きの流れ

 

a)支払督促発付

 

手続的に不備がなければ支払督促が発付され(民訴法386条T)、債務者に送達される。

 

b)債務者の督促異議申立て

 

債務者は支払督促の送達日の翌日から2週間の間、異議を述べることができる(民訴法386条U)。債務者が督促異議を述べると支払督促は失効し、自動的に通常訴訟に移行する(民訴法395条)。その場合、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなされる(同条)。なお、債務者が督促異議を述べるのに理由は必要ない。

 

c)仮執行宣言付支払督促申立て

 

債権者は、債務者の異議申立期間経過後30日以内に、仮執行宣言付支払督促申立てをする

 

なお、30日以内に申立てをしないと支払督促は失効する(民訴法392条)。

 

d)仮執行宣言付支払督促発付

 

手続的に不備がなければ、仮執行宣言付支払督促が発付され、債務者に送達される(民訴法391条T、U)。

 

この段階でも債務者は、仮執行宣言付支払督促の送達日の翌日から2週間の間、異議を述べることができる(民訴法393条)。これにより自動的に通常訴訟に移行することは前段階における異議申立と同様だが、仮執行宣言付支払督促が失効するわけではない(仮執行宣言に基づく強制執行ができる)。

 

仮執行宣言付支払督促の送達日の翌日から2週間経過すると、債務者は異議を述べることができなくなって、支払督促は確定判決と同一の効力をもつ債務名義となり、債務者が支払いをしない場合には強制執行をすることができる(民訴法396条)。

 

 

 

 

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