公務員が扱う債権とは?抑えておきたいポイントと債権管理テクニック

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公務員が扱う債権とは?抑えておきたいポイントと債権管理テクニック

債権の意義

 

1 自治体が管理の対象としている債権

 

地方公共団体が財産として管理の対象としている債権は、金銭の給付を目的とする権利、即ち、金銭債権です(自治法240条T)。

 

自治法において、地方公共団体の「財産」とは、公有財産、物品及び債権並びに基金をいいます(自治法237条T)。

 

公法上の原因に基づいて発生する債権(以下「公債権」という。)と、私法上の原因に基づいて発生する債権(以下「私債権」という。)とを問いません。

 

公債権は、@)地方税の滞納処分の例により強制徴収できるものと(以下「強制徴収公債権」という。)、A)滞納処分の例によることができないもの(以下「非強制徴収公債権」という。)とに区分できます。

 

「強制徴収公債権」、「非強制徴収公債権」、「私債権」という3種類の債権は、債権管理の方法及び時効制度等についてそれぞれ異なった取扱いをしていますので、債権管理を進めていくうえではこの点に充分留意する必要があります。

 

強制徴収公債権は、次の5つに限定されています(自治法231条の3V)。

 

@)地方税

 

A)分担金(自治法224条)

 

B)加入金(同法226条)

 

C)過料(同法228条V等)

 

D)法律で定める使用料その他の地方公共団体の歳入(同法附則6条)

 

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債権管理の基本原則

 

1 債権管理の意義

 

債権管理とは、債権について、債権者として行うべき保全、取立、内容の変更及び消滅に関する事務をいいます。

 

2 法令遵守

 

行政は法に基づいて執行され、事務処理されなければなりません。これは行政事務全般に通ずる原則です。債権管理は、債権管理に関する自治法、同施行令のみならず、各種行政法規、民商法の規定、条例その他の法令に則って行われなければなりません。

 

3 公正かつ合理的・能率的な処理

 

財務法規に通ずる原則として、一般的には、財務事務処理について、「公正を確保すること」と「合理化・能率化を図ること」があります。債権管理についても、この2つの原則が当てはまります。この2つの原則は、具体的な事務処理の場面において、互いに矛盾することもあり、債権管理に関する法規の解釈や運用に当たっては、これらを調和させるよう十分に留意する必要があります。

 

4 首長の責務

 

首長は、法令又は条例若しくはこれに基づく規則の定めに従い、市町村の私債権の徴収に努めなければなりません(私債権条例等)。これは私債権について定めたものですが、市町村が保有する債権の管理に関する事務について、その最高責任者です首長として当然の責務を規定したものであり(自治法149条E参照)、公債権についても妥当します。

 

また、市町村の債権の管理に関する事務は、法令又は条例若しくはこれに基づく規則の定めるところに従い、財政上もっとも市町村の利益に適合するように処理されなければなりません(「国の債権の管理等に関する法律」10条に同旨の定めがあります。)。

 

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