資金前渡とは|実務上よくあるQ&A 〜公務員の財務会計事務解説〜

資金前渡とは|実務上よくあるQ&A 〜公務員の財務会計事務解説〜

資金前渡とは|実務上よくあるQ&A 〜公務員の財務会計事務解説〜

 

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同一事業で短期間に数回行われる講師謝礼の支出について

問い: 9日、15 日及び 21 日の3日間で住民向け講習会を開催します。
講習会では、講師は毎回別々ですが、毎回講習を行うため、その都度講師に謝礼を支払うこととなります。
このような場合、謝礼を3日分まとめて資金前渡を受けて置くことができますか。

 

答え: 設問の講習会は、毎月必要とする経費でないため、随時に必要とする経費と解されますが、同月内、かつ、同一事業で支払うべきものであ
ることから、まとめて謝礼を資金前渡として受けることができます。
地方財務実務提要(ぎょうせい)第二巻P3,373 では「同一内容の経費で支払額、支払日が定まっており、かつ支払回数が多いような経費の執行については、1か月を限度として資金前渡受領しても差し支えありません。」としています。

 

講師が未定の場合の謝礼の資金前渡について

問い: 講演会を3日間連続で開催することとなりましたが、そのうち、2日分の講師が未定の状態です。この場合、まとめて謝礼を資金前渡で受けることができますか。

 

答え: 講師が未定であっても、まとめて資金前渡を受けることができます。

 

 

前渡金を預金する場合の注意

問い: 一万円を超える前渡金を一時的に預金する場合に注意すべき点を教えてください。
答え: 次の注意する必要があります。また、名義に個人名が入る都合により、異動ごとに通帳の預金名義の名義変更が必要です。
@ 通帳の預金名義 資金前渡受者 ○○課長 ○○ ○○
A 通帳の印鑑 資金前渡受者の届出印であって、かつ、私印
B 通帳の預金種別 決済用普通預金(無利息型普通預金)

 

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前渡金で支払う謝礼金から源泉徴収する場合の納付書の納入者名について

問い: 資金前渡を受け、講師謝礼を支出します。係る所得税を源泉徴収するため、納付書を起票しますが、その納入者は誰にすべきですか。
答え: 納入者は、資金前渡受者です。理由は、納付書の納入者は、原則納入者本人にすべきだからです。

 

前渡金に係る源泉徴収の領収書はどこに保管すべきか

問い: 資金前渡を受け、講師謝礼を支出しました。その際に源泉徴収した所得税の領収書は、どこに保管すべきでしょうか。
答え: 事業原議の裏面に貼付するなどし、所属で保管してください。

 

前渡金支出に当たり受領する領収書の金額は、源泉徴収所得税込みで良いか

問い: 資金前渡を受け、講師謝礼を支出します。この場合、講師から徴収する領収書の金額は、源泉徴収後の金額とすべきでしょうか、源泉徴収前の金額とすべきでしょうか。
答え: 源泉徴収所得税込みの支給総額の領収書とすべきです。

 

前渡金の精算に必要な領収書の宛名について

問い: 資金前渡を受けた場合、その精算に必要な領収書の宛名はどのようにすべきでしょうか。
答え: 資金前渡受者とします。理由は、資金前渡は、資金前渡受者個人の責任で前渡を受けるからです。
また、資金前渡受者以外には、「○○課長」や「○○課長 ××××」としても可です。

 

複数の前渡金に係る支払いで、領収書が1枚しか交付されなかった場合

問い: 2種類の資金前渡を受け、精算書を2本起票する必要があります。
しかし、その前渡金に係る支払いにおいて徴収した領収書は、互いに関係のある支払であったため、2種類の資金前渡に係るものが合算されて債権者から交付されました。
この場合の精算の方法を教えてください。

 

答え: 主たる精算書に領収書を添付します。その上で、主たる精算書及び従たる精算書には、次の表記をします。

主たる精算書

領収書は、伝票番号 0000 を含む。
【精算書の帳票番号】、【前渡金金額】

 

従たる精算書

領収書は、伝票番号 0000 へ添付

 

また、この精算に係る書類は、2件同時に会計室へ送付するようにしてください。

 

出張先での交通費の立替払について

問い: 職員が公務で大阪市に出張中に緊急の用務が発生し、旅行先に変更があった。既に概算払いで支給を受けた旅費を超えてしまいますが、仕方がないのでその職員が変更に係る交通費を一部立替え、必要な旅行を行った。
この場合、この旅費を事後的に区が支払うことは問題ありませんか。

 

答え: 旅行に係る旅費は、条例等に基づき、原則所属長が事前に発する旅行命令によって行われます。
条例の規定に従い、当該旅行命令が変更された場合に限り、事後的に市が支払うことができます。

 

 

 

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