調定とは?よくある質問をQ&A形式でわかりやすく解説|公務員の財務

調定とは?よくある質問をQ&A形式でわかりやすく解説|公務員の財務

調定とは?よくある質問をQ&A形式でわかりやすく解説|公務員の財務

 

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【歳入質疑応答1】 収入未済を避ける減額調定
問い: 調定後、出納閉鎖期日までに納入の見込みがなくなりました。このままでは収入未済の恐れがあります。決算上、収入未済を出したくないので、減額調定してもよろしいですか。

 

答え: 減額調定することはできません。調定は歳入の収納の前提として、法令等の根拠からその発生した権利内容を調査し、納入すべき金額、納付義務者等を明確にする内部的意思決定行為となります。このため、発生した権利内容に問題がなく、その納期が既に到来し、又はその年度中に確実に到来するものは、減額調定できません。
減額調定ができるのは、当初の調定の誤りや事後の理由によりその債権が減額された場合など理由がある場合に限られます。

 

【歳入質疑応答2】 出納整理期間の経過後に判明した過払いの戻入方法
問い: 過年度に歳出予算で物品を購入しましたが、その出納閉鎖期日後に、支払いすべき額を誤って、相手方に多く支払っていることが判明しました。この金額は過払いとして、戻入すべきと考えます。この場合、何を起票する必要がありますか。

 

答え このような場合、新たに調定し、調定決定書及び納入通知書を起票するものとします。
設問のような場合、地方自治法施行令第百六十条前段の規定により、新会計年度の歳入として新規に調定し、調定決定書及び納入通知書を起票し、納付を促すこととなります(※)。
もし、この過払いが出納整理期間経過前までに判明した場合は、同施行令第百五十九条及び・第四十九条の規定から「収入の手続の例」により、これを支出した経費(予算科目をいいます。)に戻入する手続をします。
この場合の収入の手続の例とは、歳出戻入決定書を調定の例により起票し、納入通知書又は納付書をもって納付義務者に戻入させます。この納入通知書又は納付書は、領収証書、納入済通知書及び原符の上部にそれぞれ「歳出戻入」という表示をしたものである必要があります。
設問の場合のほか、歳出戻入決定書を起票しても、出納閉鎖期日までに歳出戻入されなかった場合は、・第四十九条の規定により、既に収入の手続の例により調定されていることを踏まえ、同規則第四十八条の規定により収入未済の繰越しの手続をします。

 

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【歳入質疑応答3】 歳出戻入決定書を起票した場合の納付期限について
問い: 手当を支給しています。その手当を既に8月分まで受給済みの人から「実は8月に市外へ転出していた。」として9月末になって7月に遡って転出届が遡って出されました。このため、支給済みの8月分を返還してもらう必要が生じました。8月分は現年であったため、10月2日に歳出戻入決定書を起票しますが、併せて起票する納入通知書に記載する納付期限はいつにすべきですか。

 

答え 10 月2日に歳出戻入決定書を起票するのであれば、その翌日から起算して二十日以内の日、つまり、同月 22 日までの間において当該歳出戻入決定書を起票した歳入徴収者が適宜定めた日となります。
理由は、その年度に支出した歳出を戻入するときは、・第四十九条の規定により収入の手続の例により、支出した経費に戻入することとなっています。収入の手続の例とは、設問にもある歳出戻入決定書の起票をいいます。このため、その後は、調定と同様の流れとなり、・第二十六条の規定により、直ちに納入通知書を作成し、納入者に送付します。また、その納入通知書に定める納付期限は、・第二十八条の規定により、当該起票の日の翌日から二十日以内において適宜定めた日とします。

 

【歳入質疑応答4】 月の途中の還付を差し引いた事後調定
問い: ・第二十三条第一項の規定により、金銭出納員が即時受領する金銭について事後調定を予定していたところ、事後調定をする前に、その収納金に過誤納があることが発見されました。この過誤納金は、受領したその月中に納付義務者に還付しました。さて、事後調定についてお尋ねします。その還付した金額を調定額決定通知の額から控除して、事後調定して良いでしょうか。
答え: 控除して事後調定することはできません。理由は、事後調定とは、即時受領した時点で調定は行われ、事後に財務会計システム上の処理をするに過ぎないからです。このため、当初即時受領した時点では、正しい金額として既に調定されたため、その事後調定は、結果として過誤納金となった収入を含めて行う必要があります。そしてその後、歳入還付の手続により還付し、かつ、過誤納に係る還付金相当額の減額調定を行うべきです。ただし、即時受領した日と還付に至った日が同日である場合はこの限りではありません。

 

【歳入質疑応答5】 納入通知書を送付しなければ、相手方から収入することはできないか。
問い: 地方自治法第二百三十一条並びに・第二十二条第一項及び第二十六条本文には、「歳入を収入しようとするときは、調定をし、直ちに相手方に納入通知書を送付しなければならない。」とされていますが、納入通知書を送付しなければ、相手方から収入することはできないのでしょうか。
答え: その納付義務の成立条件により異なります。理由は次のとおりです。
納入の通知の効果は、大きく分けると請求と賦課の効果があります。一般的な債権は、債権の発生自体は別の行為により生じているため、通知には請求の効果しかありません。しかし、賦課の効果があるものは、納入の通知の有無が請求権の確定に意味を生じます。例えば地方税など賦課の効果がある納入の通知(地方税では納付又は納入の告知といいます。)は、その送付が債権の発生条件となる意味を持つため、納入の通知の送付無しには収入することはできません。
また、納付義務の成立に納入通知等の送付等が必要ない債権の納入の通知は、単純な請求に過ぎないため、原則、納入の通知を送付する前でも収入することができます。
このほか、規程で定める収入は納入の通知をしませんが、納付書で収入することができます。
また、・第二十六条ただし書の規定により、会計管理者と協議の上、口頭、掲示その他の方法により納付義務者に通知して収納するものは、口頭により納入の通知をするので、通知をしたものとして収入できます。

 

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【歳入質疑応答6】 契約や相手方の同意によらず貸付金の全額を一括調定した場合
問い: 区の貸付制度により新たに貸付けしました。その契約書によれば月2万円の分割納付が定められており、・第二十二条第三項本文の規定により、納付期限が到来するごとに調定すべきところ、その貸付金全額について、調定決定書を起票し、一括払いの納入通知書を発送してしまいました。当然ながら、この借受人は分割納付とされなかったことに苦情がありました。この場合、調定決定書の扱いは、どのようにすれば良いですか。
答え: 直ちに調定決定書を修正起票し、契約条件に合致するように調定額を修正してください。
理由は次のとおりです。契約書により分割納付としている債務を、その契約書の規定又は相手方の同意によることなく一方的に一括払いに変更することは、区が債務履行義務違反(※)
に問われる可能性がある行為と考えられます。このことから、一括払いの調定には誤りがあり、調定決定書は相手方との契約条件に合致するように修正が必要です。
また、調定額の通知期限後である場合は、入力日現在でこの調定の減額調定をし、出納整理期間後である場合は、・第四十八条の規定による収入未済繰越額を減額してください。これに伴い、既に送付した納入通知書がある場合についても、取消しされた納入通知書として、直ちに回収し、修正起票した調定決定書に基づく納入通知書に差し替えてください。
※ 納付期限を定めることは、民法第百三十六条第一項の規定により債務者の利益のために定めるものと解釈されます。また、同条第二項では、一方からこの利益を放棄することはできますが、相手方の利益を害することができないとも規定されています。このことから、区が法規又は契約等の規定によらず、分割納付の契約条件を放棄することは、市側の一歩的な債務履行義務違反となる可能性があります。

 

【歳入質疑応答7】地方自治法施行令第百七十一条の六の規定による延納及び分割納付の際の調定
問い: 地方自治法施行令第百七十一条の六の規定により延納し、分割納付を認めた私債権があります。しかし、その分割納付の特約の締結をする時点で、まだ、調定を行っていませんでした。この場合の分割納付に係る調定決定書の起票はどのようになりますか。
答え: ・第二十二条第三項の規定の規定により、締結された内容に応じ、納付期限が到来するごとに、その債権について、調定決定書を起票します。そして、納入通知書を送付します。その後、納付期限が到来するごとに同様に手続をします。
また、同施行令第百七十一条の六の規定は、延納だけ認めることもあります。このとき、納入通知書を送付していない場合は、その延納した日が到来するごとに調定決定書を起票するものとし、既に起票している調定決定書は取消しし、既に納入通知書を送付している場合は、送付済みの納入通知書の調定決定書はそのままとします。また、その延納に合わせ納付書を作成し、送付等します。

 

【歳入質疑応答8】 納付期限の末日が土日祝日だった場合について
問い: ある公債権の使用料について、・第二十八条の規定により、その納付期限を調定の日から二十日目として運用しています。今回も同様に二十日と定めようとしたところ、その二十日目が土曜日でした。この場合は、どうしたら良いですか。
答え: その納付期限を定める根拠が・第二十八条であるのならば、次のいずれかの日とするように考えられます。ただし、いずれの日とするかは個別に判断するのではなく、その債権全体として、あらかじめ方針を決めて置くべきと考えます。
@ 納付期限を十九日目(金)以前とする。
通常、・等では「調定の日から二十日以内において適宜の納期限を定める」と規定されているため、二十日以内の日で適切な日として、十九日以前の休日以外の日を定めることとします。
A 納付期限を二十二日目(月)とする。
・等の規定に従い、調定の日から二十日目(土)として定めますが、この日は休日に当たるため、実際の納付期限は、自治体の休日を定める条例等の規定に従い、その翌日をもってその期限とみなします。

 

 

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