契約や相手方の同意によらず貸付金の全額を一括調定した場合

契約や相手方の同意によらず貸付金の全額を一括調定した場合

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契約や相手方の同意によらず貸付金の全額を一括調定した場合

問い: 市の貸付制度により新たに貸付けしました。その契約書によれば月2万円の分割納付が定められており、会計規則の規定により、納付期限が到来するごとに調定すべきところ、その貸付金全額について、調定決定書を起票し、一括払いの納入通知書を発送してしまいました。当然ながら、この借受人は分割納付とされなかったことに苦情がありました。この場合、調定決定書の扱いは、どのようにすれば良いですか。

 

答え: 直ちに調定決定書を修正起票し、契約条件に合致するように調定額を修正してください。
理由は次のとおりです。契約書により分割納付としている債務を、その契約書の規定又は相手方の同意によることなく一方的に一括払いに変更することは、市が債務履行義務違反(※)に問われる可能性がある行為と考えられます。このことから、一括払いの調定には誤りがあり、調定決定書は相手方との契約条件に合致するように修正が必要です。
また、調定額の通知期限後である場合は、入力日現在でこの調定の減額調定をし、出納整理期間後である場合は、会計規則の規定による収入未済繰越額を減額してください。これに伴い、既に送付した納入通知書がある場合についても、取消しされた納入通知書として、直ちに回収し、修正起票した調定決定書に基づく納入通知書に差し替えてください。
※ 納付期限を定めることは、民法第百三十六条第一項の規定により債務者の利益のために定めるものと解釈されます。また、同条第二項では、一方からこの利益を放棄することはできますが、相手方の利益を害することができないとも規定されています。このことから、市が法規又は契約等の規定によらず、分割納付の契約条件を放棄することは、市側の一歩的な債務履行義務違反となる可能性があります。

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