備品とは|消耗品と備品の違い、定義をわかりやすく解説|自治体物品会計
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物品は、その形状、品質、耐久度及び使用目的によって整理区分され、備品、動物、消耗品、材料品、不用品の5種類に区分しています。
5つの物品整理区分
備品
形状、性質を変えることなく、長期間継続して使用に耐える物品を「備品」といいます。
自治体が所有する備品については、財務システム等に記録し管理します。
@消費税相当額を含んだ購入予定価格が、3万円以上の物品を備品として取り扱います。
A事務用の机、椅子、寄贈された美術品は、価格にかかわらず備品として取り扱います。
B永続性のある標本、陳列品は、価格にかかわらず備品として取り扱います。
C備品のうち、取得価格(税込)100 万円以上の物品は、重要物品として取り扱います。
備品に指定された物品については、物品管理者は、備品の使用状況等を把握するため、備品出納簿等により使用者や供用場所等の確認をし、目的どおり適正にしかも効率的に使用されているか等、管理をしなければなりません。
※ 当初から、寄附、配布又は支給する目的で購入する物品(記念品、支給品、贈与物品や実験、調査研究等のために消費されるもの)は、3万円以上であっても消耗品に区分されます。
消費とは、燃やしたり、溶かしたり、または刻んだりして消失してしまうか、その原型をとどめず変質してしまう場合や、使用することによってその本来の使用目的を失ってしまうような場合をいいます。
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消耗品
使用することにより、短期間で消耗又は破損しやすい物品をいいます。
@消費税相当額を含んだ購入予定価格が、3万円未満の物品は消耗品として取り扱います。
A金券類、支給品、贈与目的の物品は、価格にかかわらず消耗品として取り扱います。
B実験、調査、研究、講習会又は行事用等のために消費される物品は、価格にかかわらず消耗品として取り扱います。
C放鳥、放流のために飼養する動物は、価格にかかわらず消耗品として取り扱います。
Dカーテン、暗幕、図書、ソフトウェア(購入)その他会計管理者が認める物品は、価格にかかわらず消耗品として取り扱います。
動物
ほ乳動物類、鳥類、は虫類、その他動物園や公園で鑑賞などのために飼育する動物は、購入金額等により以下のように取り扱います。
@購入予定価格が3万円以上の動物は、備品として出納手続きを行います。
A購入予定価格が3万円未満の動物は、消耗品として出納手続きを行います。
B消耗品として受入れた動物が、成長して3万円以上の価値を持った場合は、その時点で備品として出納手続きを行います。
材料品
工事や工作、生産のために必要なものとして消費される物品は、価格にかかわらず材料品として取り扱います。
工事に使用される砂利、建造物の構成部分となる木材などは材料品に区分されます。
不用品
老朽化や修理不能で使用できなくなった物品や、自治体において使用する目的が無い、又は使用する目的が無くなった物品は、不用品として取り扱います。
工事や作業現場で発見、発生した使用目的のない物品などは、不用品に区分されます。
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備品と消耗品の判別表
品目 | 判断基準 |
---|---|
職員用事務机、椅子 | 予定価格が3万円以下でも備品 |
畳 |
・体育館等で必要に応じて敷いて使用する場合は備品 |
書籍 | 予定価格が3万円以下でも備品 |
ソフト(パソコンソフト、教材用のビデオ、DVD等) | 予定価格が3万円以下でも備品 |
パソコンのメモリ、RAM・ROMボード、ハードディスク(内臓) | 予定価格が3万円以下でも備品 |
カーテン、暗幕 | 予定価格が3万円以下でも備品 |
エアコン・アコーディオンカーテン・ブラインド |
・取り外しが可能、もしくは単体の場合は備品 |
旗(市旗、国旗、校旗) |
・常時屋内で使用するものは備品、屋外で使用するものは消耗品 |
印刷機のドラム | 高額なものであるが、印刷機の部品と考えられるので消耗品。 |
懸垂幕・横断幕 |
・1回だけ使用する場合は消耗品。 |
マット | 消耗が激しく、1年以内に買い替えが必要な場合を除き、備品。 |
球技用ネット | 消耗が激しいため、金額・用途にかかわらず、消耗品。 |
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備品の管理方法
備品を購入などした場合、財務会計システムで「物品出納通知書」を起票したうえで、備品シールを出力し、貼り付けて管理します。
物品管理者は、備品、動物については、原則として、財務会計システムへの登録を行って管理をしていることから、システムより出力された帳票を整理することにより、適正かつ効率的に管理することになります。
そして、このシステムを十分機能させ、備品等の管理を確実に行うため、物品管理者は、毎年度三月末現在における財務会計システムの記録事項と備品、動物とを照合し、数値や内容に誤りがないことを確認して、その結果を会計管理者に報告しなければなりません。
※取得価格が 100 万円以上の備品で、重要物品の増減及び現在高について、「財産に関する調書」が作成され、議会や住民に公表されます。
また、備品は長期間継続して使用に耐える物品をいいますので、贈与や処分をする場合、備品の扱いまま行うことはできません。
冒頭で5つの物品整理区分があると説明しましたが、備品から材料品に、備品から不用品に移し替えるように、物品の区分を変更することを「組替え」といいます。
贈与する場合は備品から消耗品へ、処分する場合は備品から不用品への組替えがそれぞれ必要になってきます。
※重要物品については、部長の承認が必要となり、会計管理者への通知も必要です。
供用中の物品の機能が低下(消耗、破損、陳腐化等)して、使用できなくなった場合は、修理をするなどしてできるだけ有効に活用することが第一ですが、効果的に使える見込みのない場合には、他に転用し、あるいは売却や廃棄を前提に検討することが必要になってきます。
他に転用とは、例えば、部品等として活用できるのであれば材料品に組替えをすることなどをいいます。
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