徴収停止とは?できる要件と適用上の問題点を解説|自治体の債権管理

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徴収停止とは?できる要件と適用上の問題点を解説|自治体の債権管理

債務者が行方不明になったり、法人である債務者が事業をやめてしまった場合などは事実上徴収ができなくなることが多いです。また、金額が少額で、訴訟等の手段を採ることが経済的合理性に欠けることもあります。そのような場合は、徴収停止の措置を採ることを検討します。

 

1 法令の確認

 

(1)自治令の規定

 

履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されない債権について、法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用をこえないと認められるとき(1号事由)、債務者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用をこえないと認められるときその他これに類するとき(2号事由)、債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき(3号事由)は、地方公共団体の長は、以後当該債権の保全及び取立てをしないことができる(171条の5)。

 

本条は、強制徴収公債権については明文で適用を除外していますので、私債権、非強制徴収公債権についてのみ適用があります。

 

強制徴収公債権については、滞納処分の執行停止(地方税法15条の7)の例による。

 

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2 適用上の問題点

 

(1)1号事由、2号事由の「差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用をこえないと認められるとき」というのは、差し押さえるべき財産がないときのほか、財産はあっても強制執行の措置を採ることが経済的合理性に欠ける場合をいいます。強制執行の費用は差し押さえるべき財産の種類によって異なります。それ故、1号事由、2号事由の場合、金額の多寡は問わない。また、優先債権があるときは、これを控除した残額と強制執行の費用とを比較することになる。

 

2号事由の「その他これに類するとき」というのは、行方不明ではないが、債務者が外国にいて、帰国する見込みがないとき、債務者が死亡した場合で、相続人のあることが明らかでないときなど、行方不明の場合と同様に扱うことが合理的である場合をいう。

 

3号事由は資産内容の悪化の度合いは問わない。3号事由の「取立てに要する費用」というのは、訴訟費用等(印紙代、切手代)や弁護士費用等地方公共団体が負担すべき費用をいい、強制執行の費用を含まない。

 

(2)徴収停止は、単に地方公共団体の内部においてする整理に過ぎず、債務の内容を変更するものではないから、徴収停止をした旨を債務者に通知する必要はない。以後、認定や納入の通知は行わないことになるが、債務者が自発的に債務を履行するときは、その弁済を受領できる。徴収停止後に期限の到来した償還金について、弁済する前に債務者から連絡があったときは、調定したうえ、納入通知書を発行して納入通知書により支払ってもらう。連絡無しに現金を持参したときは、納付書を発行し、納付書で支払ってもらう。この場合、弁済受領後に調定する。

 

徴収停止後、債務者の資産状態が好転した場合等、事情の変更があったときは、徴収停止の措置を撤回しなければならない。

 

(3)私債権については、徴収停止後、1年以上経過しても債務者の資産状態が変わらなければ、債権を放棄することができる。

 

3 適用の場面

 

債務者が行方不明等の理由により、納付交渉ができない場合が多いと思われるが、1号事由や3号事由の場合には、納付交渉の結果、徴収困難でありますことが判明した場合にも適用を検討すべき場合があります。

 

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