新公会計制度を導入する意義
新公会計制度導入の背景
明治以来続く、「単式簿記、現金主義」による会計方法は、客観的で確実に確認できる現金収支を厳密に管理でき、これまで有効に機能してきました
加えて、自治体は行政ニーズの多様化・高度化、厳しい財政状況の中で、財源の有効活用を図るため、民間委託化、民営化の推進、指定管理者制度の導入等、様々な対応をとってきたところであり、財源の有効活用が今一層強く求められています。
また、現行の単式簿記・現金主義の方式を改めて検証すると、資産・負債のストック情報や、減価償却費、人件費等のコスト情報が欠如しており、古い会計方式では、住民への十分な説明責任や事業執行のマネジメントに不足を生じ、時代にそぐわなくなってきています。
このため、さらに合理的で効率的・効果的な体制の確立を図るためにあるのが、現行の方式に加えて「複式簿記・発生主義」による新公会計制度です。
スポンサードリンク
※単式簿記・現金主義会計と複式簿記・発生主義会計の比較
複式簿記・発生主義
目 的:財政状態・経営成績の管理・開示
記録の対象:すべての経済資源・事象(資産、負債、正味財産、収入、費用)
単式簿記・現金主義
目 的:現金収支の管理・開示
記録の対象:現金
2 新公会計制度導入のポイント
アカウンタビリティの充実、マネジメントの強化に資するものとなるよう、次の視点が重要です。
(1)住民に分かりやすい財務諸表
これまで未開示であった資産や負債に関する情報の提供に際し、民間企業が遵守する企業会計原則に準じた区民に分かりやすい財務諸表を作成すること。
(2)迅速・正確な財務諸表
これまでの財務会計システムに、複式簿記・発生主義会計の機能を追加するとともに、公有財産・備品・インフラ資産等のサブシステムと連携することにより、迅速・正確に財務諸表を作成すること。
(3)個別の組織、事業における財務諸表
会計別の財務諸表を作成するだけでなく、歳出中事業別の財務諸表を基盤に、組織別、事業別等の様々な財務諸表の作成を可能にすること。