公務における歳入方法の種類を解説|歳入振替、証券、証紙納付など

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公務における歳入方法の種類を解説|歳入振替、証券、証紙納付など

歳入は、通常、納入通知書又は納付書によって納入義務者が金融機関等に現金で納付することによって収納されます。

 

しかし、収納金の確実な確保と納入義務者の利便性向上を図るため、自治体によって以下のような納付方法が制度化されています。

 

1 口座振替による納付(口座振替納入制度)
分割又は継続的に納入する収入のうち、自治体指定金融機関、収納代理金融機関などに預金口座を設けている納入義務者からの申し出により、その金融機関に依頼して、納入義務者の預金口座から自治体の預金口座に振り替えて歳入を収納する制度です。
納入義務者がこの制度を利用するときは、取扱金融機関に預金口座振替依頼書を提出して承諾を受けたうえ、収納金口座振替納付届を自治体に提出する必要があります。

 

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歳入徴収者は、この届があったときは、納入義務者に納入通知書を送付せず、その取扱金融機関に送付することができます。
なお、納入義務者がその取扱い金融機関で、備え付きの口座振替依頼書・納付届により口座振替の申し出を行った場合には、金融機関から納付届のみが自治体に送付されてきます。

 

自治体の窓口で申し出があったときには、逆に金融機関に依頼書を送付することとなります。
→ 【自治令】第155条(口座振替の方法による歳入の納付)

 

2 証券による納付
納入義務者は、現金の代用として証券を使用して納付することができます。
→ 【自治令】第156条(証券をもってする歳入の納付)

 

(1) 使用できる証券と取扱方法
現金の代わりとして使用されるものである以上、その証券は確実に現金化されなければなりません。

 

使用できる証券とその取扱方法は次のように限定されています。
@? 小切手
使用できる小切手は、手形交換参加地域を支払地としたもので、小切手の裏面に納入者の住所・氏名及び押印がなされたものです。

 

振り出しの日から7日を経過しているものは受領することができません。

 

A? 国債又は地方債の利札
その利子に課税される額を控除した額を納付額とします。

 

B? 振替払出証書及び為替証書
発行の日から175日を経過しているものは受領できません。

 

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C その他
約束手形と先付小切手(振出の日付を現実の振出日よりも後日とする小切手)については、 通常は使用することができませんが、区民税においてのみ使用することができます(地方税法第16条の2)。

 

(2)? 不渡証券の事務処理
収納した証券が不渡となった場合は、次のように処理します。
@ 金銭出納員の不渡証券の事務処理
出納員は、不渡証券の返還を受けたときは、納入者に、証券不渡通知書によって速やかに通知し、その証券を納入者に返還するとともに、先に交付した領収書を返還させなければなりません。

 

この場合、納入者に対して、不渡金額を控除した額の領収書を新たに交付しなければなりません。

 

A 会計管理者の不渡証券の事務処理
会計管理者は、指定金融機関から証券不渡報告書を受けたときは、当日の収入金額から不渡金額を控除し、証券不渡金額控除通知書によって、指定金融機関及び歳入徴収者にその旨を通知しなければなりません。

 

B 歳入徴収者の不渡証券の事務処理
歳入徴収者は、証券不渡金額控除通知書を受けたときは、直ちに「証券不渡分」と表示した納付書を納入者に交付し、現金を納入させなければなりません。

 

(3)? 証券の納付の表示
証券による納付があったときは、金銭出納員は、次の表示をしなければなりません。
納入通知書の各片の上部に「証券受領」の表示をします。

 

その金額が一部であるときは、表示の近くに証券の金額を記載します。

 

また、徴収簿の消し込みに当たっては、「証券受領」と記載します。

 

 

3 証紙による納付
証紙による納付とは、使用料や手数料を収入する方法として、条例等の定めるところにより、現金に代わるものとしての証紙を発行し、収入する制度です。
→ 【自治法】第231条の2(証紙による収入の方法等)

 

4 私人に対する歳入の徴収と収納事務の委託

 

原則は禁止されていますが、収入がより多く確保され、住民の利便性の向上に寄与すると認められる場合に限り、法令の定める範囲において、その事務を私人(法人を含む)に委託することができます。

 

委託をする場合は、あらかじめ会計室等に協議する必要があります。

 

また、委託したときには、その事実を告示し、かつ、納入義務者の見やすい方法により公表しなければなりません。
なお、受託者がさらに別の私人に委託すること(再委託)はできません。
→ 【自治法】第243条(私人の公金取扱いの制限)
→ 【自治令】第158条(歳入の徴収又は収納の委託)

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