請求書の法律上の支払期限|支払遅延防止法の15日、30日以内の起算日とは

請求書の法律上の支払期限|支払遅延防止法の15日、30日以内の起算日とは

 

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支払遅延の防止

支払遅延の防止に関する法律と契約条項

政府契約の支払遅延防止等に関する法律を通称「支払遅延防止法」と呼びます。
支払遅延防止法は、支払遅延の防止、事務処理の能率化などを目的として、国と地方公共団体の相手方への確認・検査、支払の期限、遅延利息、懲戒処分などを定めています。
契約に係る支払は、政府契約の支払遅延防止等に関する法律を踏まえた支払遅延防止に取り組む必要があります。
これに反すると、遅延利息の支払義務やその内容により懲戒処分を受けることがあるため注意しましょう。

 

支払遅延防止法
(給付の完了の確認又は検査の時期)
第5条 前条第1号の時期〔給付の完了の確認又は検査の時期〕は、国が相手方から給付を完了した旨の通知を受けた日から工事については14日、その他の給付については10日以内の日としなければならない。

 

2 国が相手方のなした給付を検査しその給付の内容の全部又は一部が契約に違反し又は不当であることを発見したときは、国は、その是正又は改善を求めることができる。
この場合においては、前項の時期は、国が相手方から是正又は改善した給付を終了した旨の通知を受けた日から前項の規定により約定した期間以内の日とする。

 

(支払の時期)
第6条 第4条第2号〔対価の支払〕の時期は、国が給付の完了の確認又は検査を終了した後相手方から適法な支払請求書を受理した日から工事代金については40日、その他の給付に対する対価については30日(略)以内の日としなければならない。

 

(支払遅延に対する遅延利息の額)
第8条 国が約定の支払時期までに対価を支払わない場合の遅延利息の額は、約定の支払時期到来の日の翌日から支払をする日までの日数に応じ、当該未支払金額に対し財務大臣が銀行の一般貸付利率を勘案して決定する率※を乗じて計算した金額を下るものであってはならない。(以下略)

 

※ 年2.7パーセント(昭和二十四年十二月十二日大蔵省告示第九百九十一号)

 

(懲戒処分)
第13条 国の会計事務を処理する職員が故意又は過失により国の支払を著しく遅延させたと認めるときは、その職員の任命権者は、その職員に対し懲戒処分をしなければならない。
2 (略)

 

(この法律の準用)
第14条 この法律(第12条及び前条第2項を除く。)の規定は、地方公共団体のなす契約に準用する。

 

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給付の完了の確認又は検査の時期

契約等で別に定めがある場合を除いて、給付の完了の確認又は検査の時期は、自治体が相手方から給付を完了した旨の通知を受けた日から工事については14日その他の給付については10日以内の日です。

 

ただし、検査し、その給付の内容の全部又は一部が契約に違反し又は不当であることを発見したときは、その是正又は改善を求めることができます。
この場合は、相手方から是正又は改善した給付を終了した旨の通知を受けた日から前述の期間の起算日とします。(政府契約の支払遅延防止等に関する法律第五条)

 

支払の時期

対価の支払の時期は、自治体が給付の完了の確認又は検査を終了した後相手方から適法な支払請求書を受理した日から工事代金については40日、その他の給付に対する対価については 30 日以内の日としなければなりません。
この支払の時期は、請求書が郵送等で自治体に到着した日から起算されます。

 

なお、不備があった場合の受理日は、適法な支払請求書が到着した日から起算されます。
また、一般的に適法な支払請求書を受理した日とは、請求書に記載されている日付で判断されることが多くあるため、当該日付に誤りがある場合や空欄であった場合も、その是正を指示します。(政府契約の支払遅延防止等に関する法律第六条)

 

遅延利息の額

約定の支払時期までに対価を支払わない場合の遅延利息の額は、約定の支払時期到来の日の翌日から支払いをする日までの日数に応じ、当該未支払金額に対し、財務大臣が銀行の一般貸付利率を勘案して決定する率(※)を乗じて計算した金額を下るものであってはならないとされています(政府契約の支払遅延防止等に関する法律第八条)。

 

※ 年2.7パーセント(昭和二十四年十二月十二日大蔵省告示第九百九十一号)

 

 

懲戒処分

会計事務を処理する職員が故意又は過失により自治体の支払を著しく遅延させたと認めるときは、その職員の任命権者は、その職員に対し懲戒処分をしなければなりません。 (政府契約の支払遅延防止等に関する法律第十三条)

 

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地方公共団体への適用

同法(第十一条第二項及び第十二条を除きます。)の規定は、地方公共団体のなす契約に準用します。(政府契約の支払遅延防止等に関する法律第十四条)

 

支払遅延の影響

支払の遅延は、債権者に対して損害を与える行為です。
その結果、債権者に「苦しい資金繰り」を強いることにもなり、その額によっては、「経営の危機」を生じさせることも有ります。
また、市政に対する信用や信頼を失わせる行為となります。
行政が行う支払の遅延は許されないことだという認識が必要です。

 

請求書の受理

支払遅延防止法の規定する支払期限までの日数は、「相手方から適法な支払請求書を受理した日」から始まります。
従って、支払請求書を受理するときは、不備のないことを確認しなければなりません。もし、不備があったときは、受理せずに是正を指示すべきです。この場合の請求年月日は、是正後に提出された年月日とさせなければなりません。
支出命令書の「発行年月日」は、請求が適法であり記載内容に不備のない書類がすべてそろった日以降において、速やかに処理した日となります。

 

検査(確認)合格後、相当な期間経過後に請求書兼支払金口座振替依頼書が提出された場合などは、直ちに処理するようにします。
政府契約の支払遅延防止等に関する法律第六条は、適法な支払請求書を受理した日から工事代金は40日、その他の給付に対する対価は30日以内に支払わなければならないとされています。
請求書が提出されないからといって、債権者任せにせず、検査(確認)合格後は、速やかに請求書を提出するよう債権者に依頼してください。

 

収支命令書の作成・送付期限

支出命令書の作成に当てられる実日数

支払遅延防止法の定める「30日以内」(工事代金の場合は40日)以内とは、金融機関の休業日や市役所の閉庁日も含まれますので、実質的には月平均20日程度と考えておかなければなりません。
さらに、20日間程度の事務処理日数には、会計室内の事務処理や金融機関の手続日数も含まれます。
また、支出命令書の審査において、訂正が出ることも考慮しておく必要があります。
従って、受理した請求書は、速やかに支払の事務処理を行うことを前提にしてください。

 

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各自治体の大まかな会計処理の流れは以下のような処理日数であることが多いです。
※日数は、参考例示したもので、実処理に必要な日数ではありません。会計室内の事務量は時期によって変動します。従って、支出命令書を会計室に送付したときから、10日間程度で支払事務が完了すると考えておくとよいでしょう。

 

審査係受理し
て受付処理

審査待ち日数

審査から
決裁へ

出納係受理から
仕分処理

バーコード読取入力
(翌日執行分)

指定口座に入金
1日(即日) 3〜4日間 1日間 1日間 1日間 1日(当日中)

 

審査事務の優先順位

審査事務の円滑化のため、下記の順番で審査事務がなされることが多いため、支出命令書は余裕をもって起案することが重要です。
@ 給料、旅費、賃金、報償費など支払期日が定められている支出命令書、公共料金など納期限のある支出命令書、その他、支払期限のある支出命令書
A 債権者から支払を督促されている支出命令書
B 契約システム以外の支出命令書(支出決定原議からの支出命令書、兼命令書、振替収支命令書等)
C 首標金額50万円以上の支出命令書(総価契約・単価契約)
D 首標金額50万円未満の支出命令書(総価契約・単価契約)

 

正確で迅速な処理をするための留意事項

支出処理は、次のように、順を追って着実に実務を処理していくことが大切です。
手順の前後や事務の省略が間違いの原因となります。

 

@購買物品などの契約処理からの支出
契約処理によって、購買した物品の支出は、必ずその契約番号に基づいて支出命令書等を作成するようにします。
別の方法で、支出命令書等を作成すると、支出負担行為や予算差引の重複などが発生し、結果的に2重支払いや未執行などの不適切な会計事務が発生する可能性が生ずることとなります。

 

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A支出決定原議(支出負担行為書)などからの支出
財務会計システムを用いて支出決定原議(支出負担行為書)を作成した場合は、その決定書番号に基づいて支出命令書を作成するようにします。
別の方法で、支出命令書を作成すると、支出負担行為や予算差引の重複などが発生し、結果的に2重払いや未執行などの不適切な会計事務が発生する可能性が生ずることとなります。

 

B兼命令書からの支出
兼命令書の利用に当たっては、支出負担行為と支出命令を同時に行うこととなるので、限定的に運用です。
支出負担行為手続規程等に基づき正しい運用を行うようにします。

 

 

C持ち回りの決裁
持ち回り決裁は、原則として双方の事務の負担を軽減するために、行わないように事務処理を行うようにします。
持ち回り決裁の最も多い原因は、急を要する支出のときです。しかし、精査すれば持ち回る必要のないものもあります。

 

D予算差引簿の確認
財務会計システムの稼動に伴い、手書きによる予算差引簿への記帳が不要となり、それぞれの場面で、簿記がシステムによって自動的に行われます。従って、誤ったシステム運用を行うと、簿記が誤ったまま記帳されます。結果、年度末に未執行など不適切な会計事務が生ずることとなります。このため、財務会計システムを操作するごと、又、その他定期的に帳簿の内容確認を行い、正しい会計事務を行っているか点検を行ってください。

 

E原義の確認
「事業決定原議」と「支出決定原議」は、よく事務内容を精査して起案するようにします。
特に支出負担行為となる「支出決定原議」は、文書管理システムにより必ず作成します。
財務会計システムで支出命令書を作成するために作成する「支出決定原議(支出負担行為書)」は、会計事務上の「支出決定原議」に当たりません。

 

 

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