欠損処理の対象と方法とは|自治体の債権管理

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欠損処理の対象と方法とは|自治体の債権管理

法律上又は事実上、徴収不能若しくは徴収困難であることが明らかになった債権については早々に管理の対象から外すことが妥当である。

 

そのような場合、会計上、不納欠損処理を行うが、ここでは、どのような場合に欠損処理を行うのか、欠損処理の方法等について説明する。

 

1 欠損処理が必要な場合

 

(1)債権が弁済及びこれに準ずる行為(相殺、代物弁済等)以外の理由により消滅したとき

 

私債権について時効の援用があったとき、公債権について時効が完成したとき、民事再生(個人民事再生を含む)、会社更生法、特別清算等の法的な手続きが完了したことにより、債権が消滅した場合などがこれにあたる。自治体が提起した貸金返還訴訟で敗訴判決が確定した場合などもこれにあたる。

 

これらの場合は、債権そのものが消滅してしまっているのであるから、議会の議決、免除、債権放棄の手続きは必要がない。議会への報告も必要がない。但し、債権管理の対象から外す手続きとしての欠損処理は必要である。

 

(2)債権は存在するが、法律上又は事実上の理由により、徴収が不能若しくは著しく困難であると認められるとき

 

破産免責を受けた債権、時効が完成した債権などは、強制的に徴収できないことから、欠損処理の検討対象となる。自治体の貸付金について訴訟を提起した場合に敗訴の見込みが高いときなども同様である。

 

また、債務者の財産状態が極端に悪く、事実上、徴収不能若しくは徴収困難であるときも欠損処理の検討対象となる。

 

これらの場合は、議会の議決、免除、債権放棄の手続きが必要となる。

 

2 欠損処理の基本的な考え方

 

上記1(2)の場合は、債権そのものは存在している。しかし、回収の見込みのない債務者に対して漫然と督促を続けるなどして債権管理を継続することは、事務の滞留を招き債権管理の効率化の阻害要因となる。

 

また、現実には価値のない多額の債権を帳簿上計上しておくのは、自治体の財産状態の正確な把握を妨げることにもなる。

 

そこで、回収見込みのない債務については、積極的に債権管理条例等の債務の免除・放棄の規定を活用して欠損処理を進めることが、自治体の財産管理の効率化のためには不可欠である。

 

しかし、一方において債務の免除は、自治体の財産を終局的に消滅させて将来の回収の可能性を完全に否定する行為であるとともに、運用の仕方によっては債務者間の公平を失するおそれのある行為でもあるから、厳正かつ公正に行うことを旨としなければならない。

 

3 欠損処理の方法−その1

 

上記1(1)の場合の事務処理手続きについては、各所管において、適宜、事務取扱要領を定めて運用の適正化を図ることが理想である。欠損処理をした年月日、理由などは債権管理台帳に記載し、裏付け資料はファイルに綴っておくべきである。

 

因みに、民事再生のときは、弁済計画どおりに弁済されたことが確認されたときに欠損処理をする。特別清算の場合には、配当金を受領したことを確認したうえ、裁判所の終結決定(会社法572条)の写しを提出させて欠損処理をする。

 

この場合、全額弁済を受けたわけではないが、借用書など債務者等から入手した書類の扱いについては、完納した場合に準じた事務処理を行うこととする。

 

4 欠損処理の方法−その2

 

上記1(2〉については、法律上、債権が存在しているので、債権放棄の手続きが必要になる。

 

債権を放棄するには、@)議会の議決(自治法96条TI)、A)免除(自治令171条の7)、債権放棄のいずれかの手続きによらなければならない。

 

免除については債権の免除の条件と自治法の規定で、

 

債権放棄については債権放棄できる条件と手続き方法とはを参照

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