公務に関係する帳簿諸表を知っておこう

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公務に関係する帳簿諸表を知っておこう

1 会計管理者の帳簿
会計管理者の帳簿は、次のとおりです。ただし、財務会計システムなどによって作成する帳簿は、電子的記録によって整理することができます。この帳簿の管理は、会計室(出納係)が行っています。
(1)? 現金出納簿兼収支報告書
(2)? 歳入簿
(3)? 歳出簿
(4)? 歳出予算差引簿
(5)? 前渡金・概算払整理簿
(6)? 小切手整理簿
(7)? 歳入歳出外現金受払簿
(8)? 保管有価証券受払簿
(9)? 現金・有価証券受払簿
(10) 委託証券整理簿
(11) 委託証券合計整理簿
(12) 基金整理簿
(13) 有価証券(公有財産等)受払簿

 

2 収支命令者の帳簿
収支命令者の帳簿は、次のとおりです。ただし、財務会計システムによって作成する帳簿は、電子的記録によって整理することができます。

 

(1) 財務会計システムで自動的に作成されるもの
@ 歳入簿? 調定日(額)、収納日(額)等を記録し、予算額と収入額との差、収入未済額、調定もれ等を確認するためのもの。
A 歳出予算推定差引簿? 支出負担行為日(額)、支出命令日(額)等を記録し、配当残額、執行日等を確認するためのもの。
B 前渡金・概算払整理簿? 前渡金・概算払の支出と精算の経過を記録し、確認するためのもの。
C 歳入歳出外現金受払簿? 歳入歳出外現金の収納日(額)、支払日(額)を記録し、確認するためのもの。

 

(2) 手書きにより作成するもの
@ 税外収入徴収簿? 税以外の歳入金について、納入通知書の発行日、納入日等を記帳し、消し込み管理を行うための帳簿。 個別システム、台帳等で別途管理している場合には作成を省略することができる。
A 保管有価証券受払簿? 保管有価証券の受払状況を記帳し、確認するためのもの。

 

3 金銭出納員の帳簿
現金出納簿 現金の収納、納付等の経過を記帳・整理するためのもの。
出納係から配布する所定の帳簿に手書きで記帳します。

 

4 資金前渡受者の帳簿
現金出納簿? 現金の受領、支払等の経過を記帳・整理するためのもの。
出納係から配布する所定の帳簿に手書きで記帳します。

 

5 帳簿の作成方法
(1)? 帳簿の作成・記帳の原則
帳簿は、年度ごとに作成します。ただし、現金出納簿等で余白が多い場合は、年度区分を明確にして、継続使用することができます。
また、帳簿の記帳は、調定決定書、支出命令書、収入日計表、領収証書等その他の証拠となるべき書類によらなければなりません。

 

(2) 手書き帳簿の作成・記帳要領
@ 帳簿の各葉※1には順を追って頁数を付し、予算科目順に口座※2を設け、巻頭に各口座の索引を付します。ただし、各口座の頭書葉に見出し(インデックス)をつける場合には、索引を省略することができます。

 

※1 各頁を「葉」と呼ぶ。1ページ目を「頭書葉」といい、前頁を「前葉」、次頁を「次葉」という。
※2 予算科目又は件名を「口座」という。

 

A 各口座は、それぞれ奇数の頁から始め、各頁の上部に科目欄があるものについては、各頁ごとに科目を記載します。
B 摘要欄については、事実の要点を正確かつ完結に記載し、事実関係が明確にわかるようにします。
C 金額その他の記載事項は、改ざんしてはいけません。
D 各欄の金額は、遡って記載(訂正)してはいけません。金額の誤りを後日発見したときには、前に遡って訂正しないで、発見当日において誤記分の金額を全額控除し(朱書)、次の行に正当金額を記帳します。摘要欄には「○月○日分誤記控除」(朱書)、続いて次行に「○月○日分誤記更正」と記載します。記帳もれについても、発見当日に「○月○日記帳もれ」と追加記帳して処理します。なお、月計額、累計額、残額については遡って訂正することができます。
E 記帳中、記帳直後に金額を訂正するときには、金額の上に二線を朱書で引き、その上部に正しい金額を記載します。
F 二線による訂正部分には、記帳者の訂正印を押します。
G 口座間で誤記があった場合には、発見当日において、誤記をした口座に「○月○日分○○誤記控除 △△へ」と朱書し、正しい口座に「○月○日分○○誤記転記 □□より」と記載します。
H 残の欄に記載すべき金額がないときは、零(ゼロ)を記載します。
I 毎月末には月計を記載するとともに、2ヶ月以上にわたるときは累計を記載します。ただし、税外収入徴収簿については不要です。
J 記帳が次葉にまたがるときは、最下行の摘要欄に「次葉繰越」と記載し、当該頁の合計額を記載します。次葉の最上行には「前葉繰越」及び前葉の合計額を記載します。ただし、月計、累計を記さない帳簿(税外収入徴収簿)については不要です。

 

Q&A

 

前渡金の利息の記帳
(問い)資金前渡受者の預金通帳に利息が付いた場合、現金出納簿に記帳する必要があるか。
(答え)資金前渡受者の預金口座は、利息の付かない決済用の普通預金を利用してください。
現金出納簿と預金通帳との金額は、原則として一致していなければなりません。万が一、利息が付いた場合は必ず記帳するとともに、預金口座を利息の付かない決済用の普通預金に切替えてください。

 

財務会計システムなどでは、帳票1枚1枚の差引・加算状況、執行(処理)日等を記録する「帳簿」以外に、金銭会計事務を円滑に進めていくための補助手段として、様々なメニューが用意されている場合が多いです。一例を挙げるので活用してください。

 

(1) 各種帳票データ検索(兼再発行)→ ・支出命令書等の会計室内での処理状況の確認(起票→受付→執行済)。・帳票の再発行。
(2) 歳出戻入納入済通知書検索→・歳出戻入の納入済通知書の収入計上日の確認。
(3) 未調定一覧検索→・未調定の状態にある科目の検索。
(4) 支出命令書未発行検索→・契約決定処理、発注処理、支出決定原議の作成後、支出命令書が発行されていないものの検索。
(5) 精算書未発行検索→未清算の状態にある科目の検索。
(6) 帳票未受付検索→会計室での受付処理が終わっていない支出命令書等の検索。
(7) 歳入予算執行状況表 →・調定、収入等の金額の科目別把握(月計、累計)。
(8) 歳出予算執行状況表 →・予算執行金額の科目別把握(月計、累計)。
(9) 歳入歳出外現金受払状況表 →・受入、払出金額の科目別把握(月計、累計)。
(10) 債権者検索→ ・債権者登録をしているか否かの確認。又、している場合の口座情報の確認。

 

7 首長への報告
会計管理者は、毎月、月末現在の数字で次の報告書を作成し、翌月10日までに首長に提出します。
@ 現金出納状況報告書
A 調定並びに収入報告書
B 支出報告書
C 歳入歳出外現金報告書

 

8 指定金融機関との収支の照合
会計管理者は、毎日、現金出納簿兼収支報告書、預金明細書、歳入日計表及び歳出日計表という帳簿を作成し、それぞれ指定金融機関の扱い額と照合を行います。さらに、指定金融機関が毎月作成する収支報告書及び預金明細書との照合を行い、収支の確認をします。

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