正当債権者の確認の方法について

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正当債権者の確認の方法について

問い: 地方自治法第二百三十二条の五に規定する「債権者」とは、例えば株式会社の場合は取締役など法人の代表機関に限定されるのでしょうか。また、会社の内部の支店長又は業務課長などの名義で請求があった場合、権限の委任を証する書類を提出させるべきですか。

 

答え: 権限の委任を証する書類を提出させる必要があります。
実際には、設問のような事例はほぼないと考えます。理由は、通常契約の段階から、会社の内部委任により支店長又は業務課長などの名義で契約し、その者がそのまま請求するような場合がほとんどだからです。このような場合であれば、契約者と請求者とが合致するため、権限の委任を証する書類を提出させる必要はありません。
しかしながら設問の場合は、契約の段階では、株式会社の代表者名義で契約し、請求の段にあっては、内部委任の関係にある支店長又は業務課長などの名義で請求させるというものです。そのため、市は、正当債権者であるかどうかを確認する必要があります。
請求者が契約者本人以外の場合は、その契約者本人から正規に代金受領の委任を受けた者、転付命令のあった場合の差押債権者(民事執行法第百五十九条及び第百六十条)、債権譲渡を受けた者(民法第四百六十六条)などがありますが、これらに該当する場合は、それぞれ請求権が委任等されていることを証する書面の提出が必要となります。

 

このうち、債権譲渡は、通常市の標準の契約条項では、市の承諾がない限り、債権譲渡を禁ずる旨の規定をしています。そのため、債権譲渡を証する書面が提出されても、市が債権譲渡に同意をしていない場合は、その債権譲渡を受けた者が正当債権者であるか否か検討する余地があります。その結果、最終的に正当債権者を覚知できない場合は、民法第四百九十四条の規定による債権者不覚知の弁済供託とする必要(※)もあります。
※2 何故必要があるかということですが、その債権譲渡を証する書面が、仮に偽造された物であった場合、それを信じ、その者に債務の弁済を行っても、正当債権者へ弁済したことにはなりません。このため、市が債権譲渡を結果として承認することとなる場合においても、本来の債権者の意思等が確認できなければ、リスクが残るため、その回避を理由に、供託を検討する必要があるのではないかと考えます。

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