単価契約と総価契約とは?それぞれの違いとメリットを解説|自治体の契約事務

単価契約と総価契約とは?それぞれの違いとメリットを解説|自治体の契約事務

単価契約と総価契約とは?それぞれの違いとメリットを解説|自治体の契約事務

 

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契約の概念

契約とは、私法上の法律効果を発生させる私法上の契約と公法上の法律効果を発生させる公法上の契約があります。
どちらも当事者間で約束を取りかわすことですが、通常、私達が「契約」と称しているのは、売買・賃借・請負等の私法上の債権契約だけを意味しています。

 

 

契約の成立

契約が成立するためには、「申し込み」「承諾」「合意」が必要です。

 

例えば、買い物をするときは
「お弁当ください」(申し込み)
「ありがとうございます。500円になります。」(承諾)
「はい分かりました。買います」(合意)

 

この申し込み→承諾→合意=契約成立

 

というのが、契約成立の基本的な流れとなります。

 

契約自由の原則

契約自由の原則とは、契約の締結・相手選定・内容・方式は自由であり、口約束でも書類等でも契約は自由に結ぶことができるというものです。
ただし、国・地方公共団体が当事者の場合は、制約があります。
契約担当者個人の利益のために契約の締結をするのではなく、公益を目的に行うものであるため、主観によって自由に行うべきではないため、競争入札が原則となります。

 

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根拠法令

(1) 地方自治法第234条から第234条の3
(2) 地方自治法施行令第167条から第167条の17

 

契約締結時の基本的な考え方

市内業者の育成

自治体が締結する契約においては、「公正性、経済効果の確保」が基本です。

 

さらに地方自治体においては、市内産業、中小企業を育成することも重要です。
そのため自治体内の業者で履行できるものは自治体内業者に発注し、特に物品購入契約にあたっては自治体内業者の受注機会を確保します。
極力、自治体内業者が取り扱える品物を選定し、自治体内業者で取り扱える品物は自治体内業者に発注し、下見積は自治体内業者から徴取し(メーカーからは見積書を徴取しない)、見積合わせは、自治体内業者同士で行うといった工夫が求められます。

 

 

特命契約を行う場合の事務処理方法

契約は競争入札により行うことが原則であり、特命契約はあくまでも例外的な方法です。
よって、特命契約をする場合には、合理的、かつ相応な『理由』が必要です。
また、特命契約であっても業者との価格交渉を十分行ったうえで、契約締結依頼を作成します。(契約担当者から価格交渉がある旨、予め業者に伝えます。)
※プロポーザルによる審査結果も特命理由とすることができますが、業者選定にあたっては経済的合理性、効率性、費用対効果も含め、見積価格が適正であるかに留意して、価格面の評価も行います。

 

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競争性、公平性、公正性を確保するための留意事項

@ 物品購入の際は、原則製品指定は行わず、「同等品または同等品以上可」とします。
また、製品の機能や素材等を仕様書で定めるときは、その内容によって製品が限定されることがないように十分注意します。
特に業者が作成した仕様書は注意が必要です。
※製品指定をすることにより取扱業者が限定されてしまうと、競争性・公平性が阻害されてしまいます。
どうしても製品指定を行わなければならないときは、合理的かつ相応な理由が必要です。
指定理由を財務会計システムに入力し、出力された指定理由書を必ず添付します。

 

A 同等品の確認について
同等品または同等品以上とは、『どの程度のもの』であるのかということも予め主管課で決定しておき、業者からの質問に回答できるようにしておきます。

 

B 年間単価契約の発注にあたって
発注が特定の業者に偏らないようにします。
また、自治体共通の単価契約の案件で発注権限額を越える場合には、必ず総価契約の手続きを取るようにします。

 

C 下見積りを取るにあたって
複数社(3社程度)から徴取し、特定の業者に偏らないようにします。
また、見積書を提出したことで発注が約束されたものではない、ということを依頼業者に伝えます。

 

その他の留意事項

@ 契約締結依頼の決裁期間も含め、契約の履行が可能な納期設定をします。特に、印刷は校正に要する日数も納期に含めます。
A 予定金額が各主管課の契約権限を越えた場合には、必ず契約係に契約締結依頼が必要です。契約締結依頼を避けるために分割発注をすることのないようにします。
B 登録している業種では扱えない物品の購入等は行わないようにします。「文房具事務用品・図書」しか登録していない業者から災害備蓄用としてペットボトルの飲み物を購入することはできません。

 

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契約の種類

総価契約と単価契約とは

総価契約とは

単価・数量及び契約金額(総価額)が確定されたうえで行う契約で、地方公共団体の契約は総価契約が原則となります。
単価契約の案件であっても発注権限額を越える場合には、必ず総価契約の手続きを取る必要があります。
総価契約においては「契約締結」が支出負担行為となり、支出負担行為に必要な書類は「契約書、請書、見積書」となっています。(支出負担行為等取扱規則 別表甲号)

 

単価契約とは

単価契約は、内容または性質上その数量を確定できない場合に、その規格及び単位あたりの価格だけを決定する例外的な契約です。単価契約を締結しただけでは規格や価格が決定しているに留まり、実際に業者に頼む数量が決まった時点で「発注」という処理をしなくてはなりません。
原則として、決定単価に消費税相当額が含まれています。
契約事務規則等で発注の限度額が決められていますが、限度額を超えて発注できるものもあります(各課独自の年間単価契約、燃料、ガソリン)。

 

物品、委託、工事といった単価契約の種類によって使う契約帳票が異なります。

物品・・・物品発注書&納品書
委託・・・物品指示書&完了届
工事・・・工事指示書&完了届

 

また、単価契約においては相手方への「発注し請求があったとき」が支出負担行為になり、支出負担行為に必要な書類は「請求書」となっています。(支出負担行為等取扱規則 別表甲号)

 

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総価契約と単価契約の実務上の違い

総価契約は単価と数量が決定しているので、契約の総額を決めることができる場合の契約です。
競争入札をする必要があるため、複数の業者から見積書を取り、見積合わせ、入札を行い落札業者を決定し、契約書・請書・見積書を持って決裁を取り、納品確認後に請求書を取って支出命令書を切って支払いとなるため、支出までのステップが多くなります。

 

単価契約は数量が未定(ガソリンなど)なため、契約の総額が決まらない場合の例外的な契約です。
既に契約担当係で単価契約が結ばれていれば、担当者が実務で行うのは発注書を切り、納品を受け、請求書を元に支出命令書で支払いを行うため、支出までのステップが少なくて済むのが大きなメリットです。

 

概算契約とは

概算数量(金額)で契約し、数量確定後、清算することを前提にした契約です。

 

年間契約と長期継続契約

年間契約とは

会計年度独立の原則に基づき履行期間を年度内(1年間以内)と定めた契約です。

 

長期継続契約とは

履行期間が長期(年度を越えて)にわたってする契約です。
電気・ガス・水道等の供給を受ける契約、不動産を借りる契約等が該当します。
翌年度以降にわたり、物品を借り入れまたは役務の提供を受ける契約で、その契約の性質上翌年度以降にわたり契約を締結しなければ、事務に支障のあるものについて締結することができます。

 

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長期継続契約の特徴

債務負担行為を設定しなくても、契約期間を複数年とする契約を締結し、予算の議決前に事務手続きを行い契約を締結できます。
根拠は地方自治法および施行令です。

 

地方自治法改正
第234条の3(長期継続契約)
普通地方公共団体は、第214条の規定(債務負担行為)にかかわらず、翌年度以降にわたり、電気、ガス若しくは水の提供若しくは電気通信役務の提供を受ける契約又は不動産を借りる契約その他政令で定める契約を締結することができる。この場合においては、各年度におけるこれらの経費の予算の範囲内においてその給付を受けなければならない。

 

地方自治法施行令
第167条の17(長期継続契約を締結することができる契約)
地方自治法第234条の3に規定する政令で定める契約は、翌年度以降にわたり物品を借り入れ又は役務の提供を受ける契約で、その契約の性質上翌年度以降にわたり契約を締結しなければ当該契約に係る事務の取り扱いに支障を及ぼすようなもののうち、条例で定めるものとする。【平成16年11月追加改正】
※ 平成16年5月に改正されたことに伴い、従来の契約に加えて、「政令で定める契約」が長期継続契約の対象となった。

 

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自治体における長期継続契約

長期継続契約を締結することができる契約を定める条例を施行している場合、仕様内容及び年度ごとの金額が複数年間変更のない契約(初年度は競争入札又はプロポーザル等で業者を決定し、翌年度以降は特命随意契約をしているような契約)のうち、次に掲げるような案件について長期継続契約ができます。

 

1 物品を借り入れる契約のうち、商慣習上複数年にわたり契約を締結することが一般的であるもの
【例】パソコンの賃貸借・電子複写機(コピー機)の賃貸借・自動車のリース 等
⇒契約期間として、最大5年間まで(上限)

 

2 役務の提供を受ける契約のうち、複数年にわたり経常的かつ継続的にその提供を受ける必要があるもの
【例】機械警備の保守・エレベータ等昇降機の保守・自動扉開閉装置の保守 等
⇒契約期間として、最大3年間まで(上限)

 

3 リース期間の特例延長について
条例で定められた期間を超えて契約することが望ましい案件がある場合は、事前に首長決裁をとる必要があるため、契約係へ相談します。(過去に類似案件で首長決裁済の場合は不要)
【例】構内電話交換機の賃貸借 ⇒ 最大7年間まで

 

4 再リースについて
物品の借り入れに関する契約の期間は、上記のとおり5年間を上限としており、期間満了後の再リースは原則1年ごととなります。
ただし、自動車の再リースについては、2年を上限とした長期継続契約での再リースが可能です。

 

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準備契約

年間契約について、会計年度独立の原則により、年度開始前に入札や契約締結を行うことはできません。
しかし、4月1日に、契約締結しなければならない案件は多数存在します。
準備契約とは、入札等の契約締結に必要な処理を年度開始前に予算が議決されることを前提とした準備行為としておこなっている非常に例外的な契約処理です。

 

 

附合契約と準附合契約

附合契約

法令・約款等の定めにより、契約当事者が具体的内容を協定することなく機械的・一律的に契約が成立する定型化された契約(電気・ガス(プロパンガスを除く)・水道・電話・放送受信・インターネット加入に関する契約等があたります)

 

準附合契約

準附合契約とは、附合契約に準ずる契約(共同印刷および共同購入契約・医師会および歯科医師会との医療検査等に関する契約・訪問指導等これらに類する契約等)

 

 

契約権限と専決

契約権限

首長及びその委任を受けた者(契約担当者)は、その名義をもって契約を締結することができます。
条例や規則等で、契約の金額によって、どの権限で結ぶことが出来るかが定められています。
例えば、「2,000万円以上の物品購入契約の場合は市長決裁」「50万円以下の物品購入なら課長決裁」と言った具合です。
自治体が定める職務権限規程等によって決まります。

 

 

専決

専決とは首長の権限に属する意思決定行為を補助職員が内部的に委任を受け、首長に代って行うことをいいます。
本来権限を持っている者の部下が、本来権限を持っている上司の名の下に、恒常的に上司の権限を行使することができます。
どの範囲まで専決できるかは条例、規則等で決められています。

 

 

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