物品出納員とは?出納員の意味と役割を分かりやすく解説
物品会計の機関は、金銭会計と同様に通知機関(首長)と出納機関(会計管理者)との二つの機関によって事務処理を行い、公正の確保と効率的な運用を図ることを趣旨としています。
これは、会計法の原則であり、自治法第170 条によって物品の出納、保管を会計管理者の職務権限として規定していますが、現実の物品の出納は、自治令第170 条の3によって地方公共団体の長の通知がなければ行うことができないとしています。
(1)通知機関
物品の取得は、首長の職務権限であり、当該物品の出納(受入れ、払出し等)について、出納機関に対して通知します。自治体は物品管理者を設置して、長の権限を委任し、通知機関として出納通知に関する事務及びその他必要な管理事務を処理することとしています。
@ 物品管理者
出納機関に対する通知を出納通知といい、通知を行う者を出納通知者といいますが、課等の長(課長、館長又は学校長等)がこれに当たります。
物品管理者は、所管に属する物品の出納、保管を出納機関に指示する通知機関であり、組織の長として、担当する事務事業のために必要な物品を調達し、適切な供用を図る立場にあります。
<主な職務>
ア 物品の受入れ、払出しについて決定すること。
イ 出納通知書、物品組替通知書を発行し、物品出納員に受入れ、払出しを通知すること。
ウ 物品出納員から物品を受領し、供用すること。
エ 供用中の物品を回収し、物品出納員に返納すること。
オ 供用中の物品の修繕や改造に必要な措置を講ずること。
カ 金券類については、物品受払簿を備え使用状況を明らかにすること。
キ 材料品については、材料品受払簿を備え使用状況を明らかにすること。
ク 供用備品の内容、数量を明らかにすること。
ケ 毎年度3 月末現在の財務会計システムと供用備品を照合し、会計管理者に報告すること。
コ 供用中の物品について、適正かつ効率的に管理すること。
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(2)出納機関
物品の出納及び保管については、自治法第170 条により会計管理者の職務権限とされていますが、事務を適正かつ効率的に行うに当たり、物品の使用実態に対応して、組織単位に管理することが必要であるため、組織ごとに物品出納員を置いて、事務を取り扱うこととしています。
@ 会計管理者
自治体の物品管理事務が適正かつ効率的に行われるための統括責任者の立場にあり、物品管理者や物品出納員等の行う物品管理が法令、規則に基づいて適正に実施されているかを監督する責任があります。
<固有の職務>
ア 物品管理について指導統括し、必要があるときは、報告を徴し、又は調査すること。
イ 物品の区分を定め、物品名鑑を作成すること。
ウ 出納手続きを省略できる物品、管理すべき物品を指定すること。
エ 別に指定する重要物品について、一括して記録、管理すること。
A 物品出納員
会計管理者の事務の一部の委任を受け、所属の物品の出納、保管事務を取り扱います。物品出納員は、市議会事務局、室、課、学校及び館の庶務事務を取り扱う係長又はこれに相当する職員の中から、首長が任命します。なお、物品管理者との兼務は、好ましくありません。
<主な職務>
ア 物品出納通知書、物品組替通知書を審査すること。審査項目は、次の4 点であり、どれか一つに該当するときは、物品管理者に返送します。
@ 内容に過誤はないか。
A 理由が適正か。
B 数量が適正か。
C 法令に違反していないか。
イ 物品出納通知書、物品組替通知書により受入れ、払出しをすること。
ウ 寄託物品についての受入れ、引渡し、返還をすること。
エ 貸付品・寄託品整理簿、借入品整理簿を作成し、整理をすること。
オ 不用品等の保管をすること。