新公会計制度の導入準備から導入に至るまでに必要なこと
1 開始貸借対照表の作成
新公会計制度導入後の日々仕訳により、資産及び負債の情報が積み上げられ、貸借対照表が作成される。しかし、導入前の仕訳情報は存在しないため、台帳等の情報から開始時のの貸借対照表を作成する必要がある。
(1) 作成対象
一般会計及び特別会計
(2) 作成方法
公有財産・備品・インフラ等管理サブシステムの取得価格、決算書の財産に関する調書や未収金の金額を、貸借対照表の勘定科目に合わせた形で分類し、記載する。
【開始貸借対照表作成時の資産評価基準】
原則:取得価格、不明な場合は以下の客観的基準により算定する。
(土 地)
・取得当時の基準地価×面積
(建 物)
・単価×面積×デフレータ
(工作物)
・直近の類似工作物の工事実績単価×デフレータ
(立 木)
・再調達価格
(重要物品)
・再調達価格
(道路―用地)
・道路現況調書より年度別増減表を作成、これに各年度の基準地価の平均単価を乗じる。
(道路―舗装)
・幅員別道路舗装工事単価を年度別にデフレートした単価に年度別の道路現況調書の幅員別延長を乗じる。
スポンサードリンク
2 会計基準、規則、要綱、要領等の整備
新公会計制度導入に合わせた会計基準やその他関連する例規の整備を行う。
3 職員研修等
(1) 全職員を対象とする複式簿記研修
新公会計制度(複式簿記・発生主義・決算書等)の概要研修
(2) 管理職・係長を対象とする複式簿記研修
財務4表への理解を含め、新公会計制度を理解するのに必要な簿記3級程度を基本とした知識の付与
(3) 担当者に対するシステム操作研修
(4)管理職を対象とする「財務諸表の見方・読み方・使い方」の研修
財務諸表に対する認識を深め、円滑な財務レポートの作成につなげる。
(5)実務担当者である一般職員を対象とする「複式簿記一巡」研修
簿記一巡の流れの理解を深めるため、簡単な財務諸表を作成できる複式簿記の知識を習得する。
(6)全庁LAN 利用者を対象とする研修
(7)複式簿記研修を受講していない職員を対象とする新公会計制度への理解が深まる複式簿記研修
会計の基礎知識に加え、新公会計制度の理解を深める内容に重点を絞って、仕訳から決算までの簿記一巡の流れを体得する。
4 検討体制の組織
新公会計制度導入検討委員会の設置
委員 長:総務部長
副委員長:総務部副部長
委 員:関係課長 等
(専門家の支援)公認会計士
会計管理局等
作業部会等の設置(係長・担当職員)