収支命令の取消し等について

収支命令の取消し等について

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収支命令の取消し等について

1 収支命令の取消し

収支命令者は、命令又は通知した未執行の収支命令に過誤その他の理由があって、当該収支命令の取消しを行うときは、会計管理者に対し、取消通知により直ちに通知しなければなりません。
また、会計管理者は、この取消通知を受けたときは、収入通知又は支出命令の執行を直ちに停止することとなります。
このとき、会計管理者は、支出命令書に「取消し」と表示して、当該収支命令者に返送します。

 

2 収支命令の執行不能

(1) 会計管理者は、市が負う債務に係る債権者に対する債権差押命令、破産手続開始の通知、債権譲渡の通知等が、市に通知されたときは、その支出命令の執行することができません。
(2) 収支命令者は、(1)の通知等の送付を受けたときは、その写しを添えて、会計管理者に直ちに連絡しなければなりません。
(3) 会計管理者は、(1)の通知等により支出命令の全額が執行不能となったときは、その支出命令書に「執行不能」と表示し、執行不能額通知書を添え、収支命令者に返送します。
支出命令の一部が執行不能となったときは、執行不能額通知書を収支命令者に通知します。
また、当該通知を受けた収支命令者は、その執行不能となった金額について、当該支出命令の取消しを行い、直ちに会計管理者に取消通知を行わなければなりません。

 

3 債権関係通知に伴う支出命令の取消しと執行停止

「債権関係通知」とは、請負契約、物品購入契約等に基づき、市が第三債務者として負っている債務に関して、送付される文書です。
その文書は主に次のようなものがあります。

 

種類 送付者
債権差押命令(※)・債権仮差押命令 裁判所
債権差押通知書 税務署長、普通地方公共団体の長
債権譲渡通知書 指名債権(※2)の譲渡人(債権を譲り渡した人をいいます。)
破産手続開始通知 裁判所等

 

※ 「債権差押命令」とは、債権者の申立てにより、裁判所が命令するものです。この命令は、債権者が持つ債権の弁済をその債務者から得られない場合、当該債務者が、当該債権者以外の第三者に持つ債権を裁判所への申立てにより、差し押さえるものです。この命令により、当該債務者は、当該第三者に対し、支払いをすること又はその債権の取立てその他の処分をすることが禁止されます。この第三者を、ここでは第三債務者と呼びます。

 

※2 「指名債権」とは、債権者を特定している通常の債権をいいます。また、指図債権等(※3)と違い、その債権の成立及び行使に証券等の証書を必要としないものをいいます。
通常債権といえば、指名債権が多くを占めます。例えば、業務委託契約に係る代金支払請求権であるとか、貸金返還請求権、預金払戻請求権等をいいます。

 

※3 「指図債権等」とは、債権が証券に化体している債権をいいます。これらは証券的債権ともいいます。証券的債権は、具体的には「指図債権」、「無記名債権」及び「記名式所持人払債権」があります。これらはいずれも債権譲渡を目的とした債権となります。
@ 「指図債権」は、債権者から、その証券上に表示された者又はその者が指定した者に対して弁済すべきと指図された債権となります。手形等が典型例(※4)となります。
A 「無記名債権」とは、その証券上に弁済すべき者を表示せず、その証券の正当な所持人に弁済することとなる債権をいいます。商品券、通常の乗車券、映画前売り券、劇場観覧券、通常の遊園地の入場券等が定型例となります。
無記名債権は、譲渡の効力要件、権利推定効、善意取得、抗弁の切断などは、民法第五百二十八条の十八の規定による同法第五百二十条の十三から第五百二十八条の十七までに規定する記名式所持人払証券の規定に準じます。
B 「記名式所持人払証券」(民法第五百二十条の十三から第五百二十八条の十七まで)とは、債権者から、その証券上に表示された者又はその証書の持参人に対して弁済すべき旨が付記とされている債権となります。小切手等が典型例(※4)となります。

 

※4 小切手の典型例は、記名式所持人払証券と紹介していますが、その弁済すべき相手の指定の仕方により、指図債権又は無記名債権とすることもできます。しかし、手形はその性質上、指図債権による債権でしか成立しません。

 

(1) 取消し・執行不能に伴う支出命令書の流れ
支出命令の取消し、執行不能に伴う支出命令書の流れの概要は次のとおりとなります。
取消しの 場 合 会計管理者が支出準備をしている間に、収支命令者から過誤その他の理由により支出命令書取消通知書の送付を受けた場合の手続を示します。
執行不能の場合 会計管理者が支出をしても、何らかの理由により入金不納であった場合に、金融機関からの通知に伴い、会計管理者から返送する場合の手続を示します。

 

※図作成中※

 

(2) 正式な債権関係通知が到着した場合の対応
市に正式な債権関係通知が到着した場合、債権整理担当係が把握している債権を保有している主管課(以下「債権保有課」という。※)に対し、債権関係通知を送付します。
また、債権整理担当係に直接到着する以外に、各主管課に債権関係通知が到着する場合があります。
この場合は、債権整理担当係に送付し、債権整理担当係から改めて債権保有課に対して、債権関係通知を送付します。

 

債権関係通知の送付を受けた収支命令者は、直ちに会計管理者にその旨を連絡するとともに、会計規則等の規定により、支出命令書取消通知書を会計管理者に通知します。
通知を受けた会計管理者は、支出命令書の執行を直ちに停止し、その支出命令書を収支命令者に返送します。
ただし、最初に送付を受けた債権関係通知の写しの内容等から、該当の支出命令書が明確に特定できるときは、収支命令者の取消通知を待たずに、会計管理者において執行不能とすることがあります。

 

※ 債権整理担当係が把握しないと、この取り扱いの流れから外れる可能性があります。債権保有課となった主管課又は債権保有課でなくなった主管課は、債権整理担当係に情報提供を忘れずに行ってください。

 

※図作成中※

 

(3) 正式な債権関係通知が到着していない場合の対応
市に正式な債権関係通知が到着していない場合、収支命令者が、不渡り、倒産、債権譲渡等の情報の提供を得ただけでは、執行不能とすることはできません。
しかしながら、当該情報に係る支出命令書を、ただ漠然と執行してしまうのは、支払うべき正当な債権者を誤るなど大きな危険を負う場合があります。
そこで、当該情報の提供を受けたときは、収支命令者による調査をすることとし、当該調査をする期間、その支出を一時停止することができます。
ただし、この一時停止は、一時的な措置であり、政府契約の支払遅延防止等に関する法律第十四条の規定により準用する同法第六条第一項に規定する支払期限(※)を超えて一時停止をすることはできません。
このことから、収支命令者は、この調査をできる限り早めに行い、執行を中止すべき理由がある場合は、会計管理者に対し、会計規則等に基づく支出命令書取消通知書により、直ちに通知しなければなりません

 

※ この支払期限は、次に掲げる日をいいます。ただし、この期限までに支払いが完了している必要があります。
@ 工事代金の支払期限にあっては、適法な支払請求書受理日から 40 日以内の日
A 工事代金以外の支払期限にあっては、適法な支払請求書受理日から 30 日以内の日

 

(4) 執行停止等の後の支払方法
執行停止後の支払い方法については以下の@〜Bのパターンがあるので、詳細はリンク先を参照してください。
@ 裁判所からの債権差押命令等を原因として供託をする
A 債権譲渡を原因として供託をする
B 破産手続を原因として破産管財人へ支払う場合

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